「なーんてことがあって、俺は死んだんだ」

「なるほどね」

 タツマはメモを取りながら相槌を打つ。

「いやまったくまいったね、まさか今の今まで殺されるほど恨まれているなんて夢にも思わなかったよ」

「そういうものですよ」

 と、肩をすくめる男に、根拠も無く同意をするメイ。

「ま、そういうわけだ、参考になった?」本当に気楽そうに尋ねてくる。

「ああ、十分だ。まさか事件の日にあの人が家にいるとは思わなかったしな」 

「あっはっは、ざまあみろってんだ。いろいろアリバイ工作したようだが、とんだ無駄骨だったな」

 初老の男はざまあ見ろとばかりに呵呵大笑した。


BackstageDrifters.