「さて、」 と、お盆を手にメイが席を立つ。

「どうするつもりだ?」

「ナガノさんを放送で呼び出してください。
 場所は...玄関前にしておきましょうか」

「それは構わないが...引導を下すのか?」

「違いますよ...断罪員じゃないんですから」

 ふうん、と盆の上を片付けながら相槌をうつ。食堂はセルフサービスとなっているので、食べ終われば食器を返さなければならないのだ。

「なら、君は何をしたいんだ?」

「なにもなんにもです。いつも通り、ネクロマンサーの規約にのっとり、ヤナシさんの遺思を...この場合は『ナガノをよろしく頼む』 と言う遺言を全うします。そのための準備は整いましたし、必要な人物も来るように仕向けました」

 淡々と答え、こちらの食器をよけて盆を重ねる。

 タツマは食器を重ね終えたところを見計らって、盆を取り上げた。

「あ〜〜〜!」
 同じく盆をとろうとしていたメイの両手もつられて上がる。
「ず、ずるいですよ。わたしが持って行きたかったですのに」

「何がだ...」

 呆れてタツマは歩き出した。


BackstageDrifters.