飛び降り...
「ゴード! 外だ!!」
 扉が開く。出てきたのは狩人の仲間、少し抜けている奴の方だ。
――1人残っていた? くそっ!
 男はまだこちらに気付いていない。今しかない、できるだけ遠くに飛ぶんだ。
 猛ダッシュやら蹴られたりして疲労しきった足を伸ばして跳躍。
 落下の衝撃やら高さだの考えていられなかった。
「あっ...」
 だが、
「ああ!!」
 男が反射的に伸ばした手が、私のボロのズボンの裾を掴んだ。
――掴まれてしまった。
 もちろんそれで落下が止まるわけじゃなかった。
 なにもできないや...せいぜい頭を庇うことにした。


BackstageDrifters.