「立って歩く小熊、ねぇ」
 道なき道を行く一同。
 自分と、ジェイクと、狩人。他に村人はいない。
 狩人たちは相変わらず、自分達をつけるようにして後を追って来る。
 報酬の件はうやむやになったらしい。
 正直な話、シャアラとしてはもう少し近くにいてもらったほうが心強いと思っている。
流石に問題の山に登ってまで、恥も外聞も無い。
 有り体に言えば熊の襲来が恐ろしかった。
 あの時と同じこの道を歩くだけで、鳥肌で全身の毛が逆立つ。
気を抜けば足が震えて立つことすらままならない。
 こんな奴らの前で、そんな醜態をさらしたくないという思いで(ジェイク含む) 何とか気丈に振る舞っているが、それもどこまで持つのやら。
 登山服に身を包んだジェイクが、先頭に立つ自分の尻に向かって話しかける。登り道なのだ。
「そいつが村を襲ったんだな」
 杖――かどうかは分からないが、細長い棒状のもので体を支えている。
 あんな物使わないほうが、登り易いと思うのだが。
「村はな」
「ん? どういうことだ」
「ウチと団長が追いかけて、見つけたのは小熊じゃなかった」

【少ない同行者】・・・自警団員は全員、重傷or死亡。
             数名の男子が同行を申し出たが、役に立たないのでシャアラ含め全員が断っている。


BackstageDrifters.