「建設大臣の定める構造方法」で定める継ぎ手・仕口等の接合部に使用される金物は、「軸組工法用金物規格(通称:Zマーク表示金物)」が使用されている。
規格化されて約20年程経過するが、先の写真の例を示すように現況において100%は普及されておらず、まして正しい使い方で施工されている現場は数少ないと思われる。
しかしながら、2000年6月の法改正で接合部における金物の使用が義務化されたので、特別な処置(構造計算や実験等により安全が確かめられたものを除く)をしない限り、構造上重要な接合部は必ずZマーク表示金物が必要となった。
つまり金物を使用しない現場は、中間検査の義務化により行政検査で不適格となるので、施工者の管理・設計者の監理には十分な注意が必要となってくるのである。
Zマーク表示金物以外にも、各金物メーカーより開発された「Zマーク同等認定品」は同様に使用できる。
【構造耐力上主要な部分である継手又は仕口】 第47条 構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、かすがい打、込み栓打その他建設大臣の定める構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない(〜以下略)
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この適用の範囲は、施行令・第3章3節木造の第40条に定められているように「木造の建築物又は木造と組積造その他の構造とを併用する建築物の木造の構造部分に適用」されるものである。
これまで確認申請上、4号建築物と扱われていた2階建て以下の木造建築物にも構造耐力上主要な接合部には金物が必要となり、金物をあまり使いたくない場合や収まり上仕様規定による金物が邪魔になってくる場合には、計算で柱の引抜力が生じずに金物が不必要であることやもっと耐力の小さい金物で安全であることを証明することとなる。
つまり、仕口に必要な耐力の計算を行わなければ雁字搦めに「仕様規定」で接合金物の使用が必須となったのである。
文中のアンダーラインで示した「建設大臣の定める構造方法」が今回改正された個所で、告示1460号の「木造の継手及び仕口の構造方法を定める件」にて、接合金物の種類・設置個所等の詳細な内容が、仕様規定されている。