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No.4 改正基準法(仕様規定化)に伴う接合金物の仕様について

2002年8月


1.はじめに

今回の建築基準法改正・「性能規定」化に伴い、従来の建築基準法は「仕様規定」といわれ、設計者の判断により「性能規定」もしくは「仕様規定」を選択し、それにしたがって、設計・施工を行うことになった。

(但し、木造建築物の「性能規定」に対応した限界耐力設計法(構造計算)はまだ完全に整備されていないのが現状である。)

木造建築物の構造にかかわる部分の改正された個所は、「壁量計算(施行令46条)」と「木造建築物の接合部(施行令47条・告示1460号)」となっている。

今回の法改正による「仕様規定」は従来の建築基準法を準じたものでるが、まったく従来の建築基準法と同じではなく、一部大幅な改正が行われ、以前とちがい接合部金物に関して非常に厳しい内容であり、巷の工務店・設計者等の間では「3階建て以上に多くの金物が必要でこんなに一気に多くなるとは今までのやり方がなんだったかのか?」といった声が聞こえるなど現場では混沌した状況である。

そこで、ここでは性能規定化に伴い整備された、仕様規定化による「木造建築物の接合部(施行令47条)」がどのように見直されたか解説を行う。



 

1-1.背景

従来の仕様規定は、木造建築物の柱・梁・筋かいの継ぎ手、仕口等の接合部にはその部分の存在応力を伝達するよう明文化されていたが、具体的には何も規定されていなかった。

特に2階建て木造住宅規模では、設計図書に接合部の情報が明記されず、各設計者・各工務店等で千差万別の接合部が施工されることが一般的であった。

その結果1995年阪神・淡路大震災において、「接合部の不具合」が原因の1つとなり、木造建築物の倒壊・全壊等の被害が目立った。

その倒壊・全壊により多くの人命が失われたが、このような過ちを2度と繰り返さないために、又必要最低限の安全性を必ず確保するために、従来のように個々の判断にまかせるのではなく「建設大臣の定める構造方法」で木造建築物の柱・梁・筋かいの継ぎ手、仕口等の接合部に示すこととになった。

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 ©Tahara Architect & Associates, 2003