浮き上がりの実験結果をもとに、浮き上がり範囲をモデル化することにより、カウンターウェイト値を簡潔に求める方法を提案する。
モデル化を行う際の仮定事項は以下の通りである。
@一梁ごとのカウンターウェイトを計算するためのモデル化とする。その後、梁中の突き上げ柱の押さえ込み力を分配し計算する(この際、梁や根太の架かり方を考慮する)。
A層間変形角1/30(rad)時のカウンターウェイトを求めるためのモデル化とする。
B浮き上がり範囲は、1辺の長さを梁長さとした長方形を考えることする。
C梁中の突き上げ点(耐力壁の剛体的回転による柱による突き上げ)が1カ所の場合は、実験によりほぼ三角形に分布する傾向が見られたので、面積的に半分と考え、梁からの距離を半減した長方形として考える。
D耐力壁による浮き上がりが、水平力がX方向、Y方向の両方向で生じる柱については、カウンターウェイトを両方の場合について求め、その小さい方を、浮き上がり抵抗金物の検討に用いる。
この仮定のもと、長方形のもう1辺の長さ(1辺は梁長さ)を定めるため、以下の2種類(モデル1、2)の2つのアプローチにより、モデル化を考えていくものとする。