施設名 : ますや旅館 (入浴日:2007.11.12)
 
温泉名 : 田沢(たざわ)温泉 
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
住 所 長野県小県郡青木村田沢2686番地
電 話 0268−49−2001
交通機関 JR長野新幹線上田駅から青木行きバスで30分、終点乗換えで田沢行きバス5分、終点下車。
上信越自動車道上田菅平ICから国道144号線・143号線で約17km
長野自動車道麻績ICから県道・国道143号線などで約18km
施 設(日帰り) ロビー 駐車場(20台)
宿 泊 25室 9,000円程度〜16,000円程度まで(2008年3月現在)
詳細は下記HP参照。
泉 質 単純硫黄泉 (2つの源泉の混合) 泉温40℃弱 冬季は加温無色透明 僅かに硫黄臭 
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 10時〜16時(冬季確認) 予約不要
定休日 無休
入浴料金 大人 500円、
入浴施設 内湯:男女各1 露天風呂:男女各1 貸切風呂2(宿泊者のみ)
浴室備品 シャンプー・ボディソープ・ドライヤー(ロッカーの有無はチェック漏れ)
観光スポット 大法寺三重塔が国宝)修那羅の石仏、アイリスの里、上田城、安楽寺八角三重塔(国宝)、無言館
お土産・食事 温泉街で土産物や食事処を見かけた記憶が無い。
近くの温泉 沓掛温泉・・別所温泉鹿教湯温泉戸倉上山田温泉
青木村HP
ますやHP
http://www.vill.aoki.nagano.jp/
http://www.masuya-1ban.com/
雑記帳 田沢温泉の共同浴場・有乳湯の温泉は、旅館(ますや・富士屋ホテル)のそれと鮮度が明らかに違い、気泡が付くとても柔らかく優しい感触だ。
どこの宿からも徒歩1〜2分の距離、是非ともここで入浴していただきたい。
青木村は長野県の東部、松本盆地と長野盆地の中間にあって、1,200m級の夫神岳・子檀嶺岳・十観山、いわゆる青木三山に囲まれている。
村の標高は概ね500m〜850に分布し、村内は千曲川の支流が造った河岸段丘が多く、平坦地は僅かな扇状地だけとなっている。

村のホームページでは、「いで湯と文化の里」と謳っているが、村域には「田沢」と「沓掛」の小さな2つの温泉が、山里にひっそりと湯煙を上げている。

また、「見返りの塔」という名で知られる国宝
大法寺三重塔」や修那羅(しょなら)峠の860体の石仏群は、観光スポットして名高い。

歴史的には、古くから「夕立と騒動は青木から」と言われているように、青木村では江戸時代から明治にかけて5回もの農民一揆が起こっており、一地域としては日本で最も一揆が多発した村だ。今に伝わる義民太鼓はその歴史を物語っている。
東筑摩郡筑北村(旧坂井村)と青木村の境、県道12号線の道沿いに車を停めて、約1kmの急勾配の坂道を20分ほどかけて登った。やっとたどり着いた修那羅峠(930m)には、安宮神社の裏側に伸びる細い参道沿いに860体の石仏が静かに立ち並んでいた。
2006年4月、戸倉上山田温泉に宿泊した翌日、大回りして田沢温泉に立ち寄った。
その時に入浴したのが、温泉通には知られた共同浴場の「有乳湯(うちゆ)」

静かな山里、ゆるやかな石畳の坂道の両側に旅館5軒だけの鄙びたと言うより品格のある小さな温泉地、そして源泉掛け流し、なんとも優しい感触の温泉に惚れこんで、いつかはここに宿泊しようと心に決めた。

それから1年半後、珍しくも東京からの帰路でなく、直接、奈良から田沢温泉・新穂高温泉の2泊コースでここにやって来た。
前回の帰路は、田沢温泉から国道143号線(松本街道)を利用して長野自動車道豊科(とよしな)ICへ出た。

しかし、この道はヘアピンカーブが多くかなりの時間を要したので、今回はこのルートを逆方向に取らず、長野自動車道麻積(おみ)ICまで進み、ここから県道12号線を南下、途中、860体の石仏で有名な修那羅(しょなら)峠を観光してから田沢温泉に到着した。
所在地 : 小県郡(ちいさがたぐん)青木村
川幅の狭い渓流沿い、石畳のゆるやかな坂道沿いに5軒の宿が建ち並ぶ。 右側に木造3階建てのますや旅館が見える。
県道12号線、紅葉は盛りを過ぎていた。
さすが「山岳県」の長野県、こんなのどかな山里でも標高が700mもある。
加温加水無し、優しい感触の単純硫黄泉が掛け流しの共同浴場「有乳湯」。
十観山(1285m)の南麓の谷間、三方を山に囲まれた田沢温泉に近づくと、正面右手に堂々たる木造の建物が見えてくる。
ますや旅館だ。

木造3階建ての建物が4棟に白い蔵、開業と同じ明治元年の建築で、国の登録有形文化財に指定されてる。
宿では、3階の建物を高楼と呼んでいるが、、明治32年、この3階に島崎藤村が宿泊し、今も藤村の間として保存されている。
私は読んでいないが彼の著書「千曲川のスケッチ」にはこの宿が登場するようだ。
また、松坂慶子が主演した「卓球旅館」の舞台にもなった。


宿選定の際、当然、ここも候補に上げたが、トイレ付の部屋が上記3階の藤村の間にしかない。その上、風呂に行く時などの階段上り下りが膝に支障がある家内には厳しく、早々に宿泊は断念、立ち寄り湯だけをすることにした。
館内は明治元年に建設された建物に相応しく、ロビーの真ん中には木造3階建てを支える太い柱が天井を貫いていて、周囲には時代を感じさ調度が陳列されたり置かれている。

部屋数は25室(T付は1室のみ)あり、宿泊料金は標準的な部屋の9、000円前後から2間の16、000円程度までで、低料金な設定になっている。
これも建物が古いこと、トイレ・エレベーターが無いことなど、設備面によるものと思われるが、このような歴史ある建造物の宿を好む方にはピッタリの宿だ。

風呂は湯治場の雰囲気を残す長い廊下の先に、男女別の内湯と露天風呂がある。
島崎藤村は3階の部屋に泊まった。
正面玄関
歴史を感じさせるアンティークなロビー
なんとストーブが置いてあった。
1階から3階まで通じる黒光りした階段。
浴室までは湯治場の雰囲気を残す廊下を歩く。
タイル張りのシンプルな掛け流しの内湯。
温泉は2号線と3号線(何れも掘削自噴)の混合線で、泉質はしっとりした単純硫黄泉。泉温が40℃弱と低いため、冬季のみ加温している。
硫黄の臭いがかすかに漂うようだが、鼻の利きが悪い自分にはそれを認識できなかった。
内湯・露天風呂の他に貸切風呂が2つある。
内湯から続く石造りの露天風呂。
田沢温泉の湯は、昔から子宝の湯として知られ、「有乳湯」とか「はらみ湯」と呼ばれてきた。
ここの温泉は、包み込むような柔らかな感触、気泡がまとわりつく共同浴場「有乳湯」温泉と比べて泉質が劣る。
これは、有乳湯が2号線の単泉でしかも鮮度が高いのに対し、こちらは混合線であることが影響していると判断した。
田沢温泉は三方を山に囲まれた小さくて静かな温泉地。
ますや旅館は明治元年創業、同時期に建設された木造3階建ての宿は国の登録有形文化財で、風呂はもちろん掛け流しだ。
 田沢温泉 ますや旅館 (長野県)  
3階建ての「高楼」が軒を連ねる。見事な風景だ。
登録有形文化財の証。同じものを三朝温泉大橋で見かけた。