今はもう無いラジウム湯と鉄湯の在りし日の様子。
荒々しい山肌、温泉が湧き出る湯畑。荒々しい自然の息吹を感じさせる所にあった2つの風呂。
極楽湯から200mほど下った先、湯畑の横に日進館の風呂(ラジウム湯・鉄湯)があった。黒く煤けた湯小屋、背後の白茶けた空吹き、自噴する高温の温泉と舞い上がる湯気が鳥肌が立つような風景を作り上げていた。
噴火があったら、一瞬でこの湯屋は溶岩で埋もれるだろう・・と思ったものだ。
読者のふらぴょんさんから、上記の「ラジウム湯・鉄湯」の湯小屋が取り壊された、とのご連絡を頂いた。(2008.11.7)
これだけワイルドな自然の中で入浴できる所はそう多くなく、非常に残念だ。
● ラジウム湯・鉄湯・・・解体されて廃止
            鉄湯
浴室からは、湯畑の湧き上がる熱湯と舞い上がる湯煙が見える。見上げれば荒々しい空吹き、自然の驚異に何だか恐くなる。
          ラジウム湯
隣の鉄湯と男女タイムが変わるので、宿泊すれば両方に浸かれるが、帰りは上り坂、わざわざここまで来る客は少ない。
空中に漂う温泉成分で黒くなった湯屋、金属は一切使用されていない。
朝食はバイキング。、パンは置いてあるが洋食の料理がほとんど無いのが残念。
夕食・朝食とも食事処で取る。低料金で標高1800mの山岳温泉だ。高級食材を使用した料理、凝った料理、洗練された料理を期待してはいけない。それを承知しておけば不満は残らない。
料 理
住 所 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401
電 話 0279−97−3131
交通機関 ・関越自動車道渋川・伊香保ICから国道17・353・145・292線等で約90km(志賀 草津道路利用、但し、この道路は冬季閉鎖)
・上記ルート、国道145号線でさらに西まで行って、万座ハイウェーに乗るコースが一般的
・上信越自動車道碓氷軽井沢ICから県道43号線、国道18・146号線、鬼押ハイウェー、万座ハイウェーで約90km
・長野新幹線軽井沢駅から西部・JRバスで1時間40分
施 設(日帰り) 食事処・売店・駐車場 (150台)
宿 泊 177室 
宿泊料金(2食付)は、2人1室で6,500円から25,000円程度(2010年11月現在)までだが、宿泊棟・季節・曜日・1室宿泊人数などによって変わるので、下記HPを参照の上予約を入れていただきたい。
泉 質 マグネシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉他
適応症 (不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 10時〜15時(日帰り)
定休日 年中無休
入浴料金 大人1,000円
入浴施設 全部で9つの湯舟(混浴無し)、日帰りは本館の長寿の湯・極楽湯で入浴可。
浴室備品 シャンプー、ボデイソープロッカー、ドライヤー
観光スポット 白根山(湯釜)、空吹き展望台、弓池ハイキングコース、鬼押出し、軽井沢、スキー(冬季)
お土産・食事 車ならば嬬恋村のキャベツ、レタス、じゃがいも等が喜ばれる。
近くの温泉 草津温泉、鹿沢温泉、志賀高原の温泉湯田中温泉郷等多数
嬬恋村HP
万座観光協会HP
日進舘HP
http://www.vill.tsumagoi.gunma.jp/
http://manzaonsen.gr.jp/
http://www.manza.co.jp/
標高1800m、万座温泉到着
万座温泉は白根火山帯西麓と万座山の谷間にあって、海抜1,800メートルの高度にあり、一帯は上信越国立公園内にある。

1温泉1旅館、あるいは露天風呂だけでは、ここよりもっと高いところにある温泉もある.。
しかし、これだけの高所に、10軒ほどの旅館・ホテルが立ち並ぶ温泉地は、万座温泉と岐阜県・御嶽山(3067m)の山腹にある濁河(にごりご)温泉しかない。

旅館街の反対側、木一本生えていない荒々しい谷間には、万座のシンボルである「空吹き」と呼ばれる硫化水素の白い煙が、常時吹き上がっている。

源泉は湯畑をはじめ数多く、泉質も様々だがいかにも効能がありそうな青味がかった乳濁色の硫黄泉が代表的な温泉だ。

温泉湧出量は1日に540万リットルという大変な数字で、これだけの湧出量があれば、もっと旅館やホテルが増えてもよさそうなものだ。
しかし、活火山である白根山やこの一帯の噴火・有毒ガスの大量噴出で、ここから退避するリスクがあるので、本格的な建造物や新設が手控えられていると、草津温泉で聞いたことがあるが、果たして真実かどうかは定かではない。

むしろ、温泉・土地の権利関係や、万座が上信越高原国立公園内に位置しているため新規の建設が認められない、などの方が可能性が高いように思われる。
嬬恋村は群馬県北西部に位置し、浅間山・白根山など標高2,000m級の山々に囲まれた高原地帯である。
村の東側を除いた長野県との県境一帯は上信越高原国立公園に指定されている。

この村は苦難の開拓の歴史を経て、日本でも有数な高原野菜産地に築き上げた。キャベツ、レタス、白菜、じゃがいも・・・特にキャベツは首都圏の需要の80%を賄う大生産地となっている。

また、観光資源にも恵まれ、万座・鹿沢など10ヶ所の温泉、6つのスキー場、天明3年の浅間山大噴火の溶岩が固まった鬼押出し園など、四季を通じて観光客・スキー客などで賑わっている。

嬬恋村、なんともロマンティックな村名だだが、その謂れは村のHPに記してあった。『日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征中に、海の神の怒りを静めるために愛妻・弟橘姫(おとたちばなひめ)が海に身を投じました。
その東征の帰路、碓日坂(今の鳥居峠)にお立ちになり、亡き妻を追慕のあまり「吾嬬者耶(あづまはや)」(ああ、わが妻よ、恋しい)とお嘆きになって妻をいとおしまれた。』
最近、万座温泉ホテルから日進に館名を改めた。

ネット上では、旧名の万座温泉ホテルや万座温泉ホテル日進舘、万座温泉日進舘や日進などが入り乱れ大層混乱している。
当館のホームページにさえ、トップに「万座温泉ホテル」の名前があり、混乱に拍車をかけている。
正式には「万座温泉日進舘」かもしれないが、「万座温泉 万座温泉日進舘」となると冗長なので、ここでは単に日進舘だけにしておく。
因みに日進舘は、万座温泉ホテル時代の湯治主体の宿泊棟の名称だった。

日進舘は、主力の和室の他に若干の洋室・和洋室を含めて177室もある。
それだけに団体客もあり、加えてここのオーナーとスタッフによる歌謡ショーがほぼ毎日行われており、ますます泥臭い宿となっている。
静養・保養を目的として宿泊するには向いていないが、反面、低料金で手軽に泊れるメリットがあり、何よりもここの温泉・風呂が素晴らしい。
私がこんな宿に敢えて宿泊したのも風呂の魅力に惹かれたためだ。

宿泊料金(2食付)は、2人1室で6,500円から25,000円程度(2010年11月現在)までだが、宿泊棟・季節・曜日・1室宿泊人数などによって変わるので、下記HPを参照の上予約を入れていただきたい。

浴室・湯舟がすべて木造の長寿の湯。寺院のような太い柱と床に切り込まれた滑り止めの技の絶妙なハーモニー。
万座温泉は複数の旅館がある温泉地としては日本一の高所、標高1800mにある。日量540万リットルの温泉を自噴する万座温泉は、荒々しい火山地帯の真っ只中にある日本一の山岳温泉だ。日進舘は万座温泉ホテルから改名、部屋数が170室を超える大型旅館である。
町域には、雪山賛歌発祥の地、「鹿沢(かざわ)温泉」がある。ここの紅葉館の内湯は、温泉通の間では評判の素晴らしい風呂だ。
日進舘玄関。この風景からは大規模旅館と想像できない。近くの駐車場は宿泊客専用で、日帰り客は、やや離れた所に停める。
風 呂
日進舘のHPを開くと、「九つのお風呂めぐり」という大きな文字が飛び込んでくる。
これから分かるように、この宿の最大の売り物は風呂である。
部屋・サービス・料理・清潔感等に不満は残ったとしても、風呂・温泉への満足度は間違いなく高いだろう。現にじゃらんの口コミ評価は、部屋・食事等4項目が全て3点台なのに風呂だけは4.8と非常に高い満足度だ。

しかし、部屋数が多いため風呂場が混雑することは避けがたい。
この日は6月の平日であったが、長寿の湯の女風呂はカラン・シャワーが順番待ちだったそうだ。


しかし、2008年1月に宿泊者専用の「万天の湯」という風呂が新たにオープンしており、これで混雑が少し解消されているかもしれない。

日進舘では様々な泉質の温泉が使用されているが、代表的なものはpH2.4の強酸性「マグネシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉だ。

● 長寿の湯
日帰りでも入浴出来る大浴場で、源泉が異なる数多くの大小の風呂がある。浴槽ばかりでなく、太い柱と梁に支えられた高い天井や壁・床にいたるまですべて木造、豪快かつ情緒タップリの湯屋だ。木造の床は滑り止めのために細い刻みが切られていて足裏に心地よい。この細工は、他に中宮温泉にしやま旅館(石川県)」でしか見かけていない。
● 展望露天風呂「極楽湯」
本館から少し離れた場所にある露天風呂。
風呂に浸かると、眼前に荒々しい空吹きの風景が広がる。日進舘紹介の記事によく掲載される風呂だ。
シンプルな10畳の和室+広縁+トイレ。(2人1室1人12,225円税込)
賑わうロビーの売店。
玄関、少々安っぽいが赤絨毯が出迎えてくれた。
万座温泉のシンボル「空吹き」
改訂3版
=(旧)万座温泉ホテルから改名=
450x25,  628 バイト
軽井沢から万座温泉への2つのルート
国道146号線に乗れば草津温泉へ
万座ハイウェイ途中の嬬恋牧場
横川SAでは、かっては駅弁NO1にも選ばれた有名な「峠の釜飯」を買うことが出来る。
ここからも妙義山が見える。
上信越自動車道で軽井沢に向かうと、上州三山の一つ、奇怪な山容の妙義山が見えてくる。中学生のとき、ここを登山して恐い目に遭った。
今回を含めて万座温泉へは、3回とも東京の実家からだった。
いつも上信越自動車道碓氷(うすい)軽井沢ICで下り、軽井沢の町中を通り抜ける。

その先は2つのルートがある。
一つは鬼押ハイウェイ(有料)に乗って、世界でも有数の活火山・浅間山(標高2,568m)の東麓を北上し、国道144号線を横切って、そのまま万座ハイウェイで万座温泉を目指す直進ルートだ。
途中で、浅間山の噴火による溶岩が作り上げた奇勝「鬼押し出し」を観光できる。
このルートは、軽井沢からまっすぐ万座温泉を目指すので、距離的にも時間的にも最短コースだ。

もう一方は、軽井沢から国道146号線・国道292号線を経由して、草津温泉に宿泊又は立ち寄ってから万座へ向かうルートだ。

国道292号線は、別名、志賀・草津道路と呼ばれ、冬季に完全閉鎖される日本有数の山岳道路である。

途中、これまた活火山で、荒々しい山容を見せる(草津)白根山(標高2,160m)の真横を通り、神秘的なコバルトブルーのお釜を観光することも出来る。

この道は私の好きなルートでこれまで何回利用しただろうか。
万座温泉 日進舘 (群馬県)  
温泉名 : 万座(まんざ)温泉
施設名 : 日進舘 (入浴日:2003.10.27 宿泊日:2007.6.25 3回目入浴:2009.10.22)
所在地 : 吾妻郡妻嬬恋(つまごい)村
 
国道の峠としては、日本一の標高(2,172M)を誇る渋峠の少し手前で左折し、万座温泉へ向かう。
草津を出ると、日本有数の山岳道路である志賀・草津道路(国道292号線)が山を縫うようにして走る。冬季は閉鎖される。
日本を代表する名湯・草津温泉経由で万座に向かうことも出来る。(写真は湯畑)
データ (変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
どれも太い木材で縁取られたごつい風呂に白濁した湯が張られている。