退院して

無事退院したものの、なかなか授乳のペースが一定にならず、量もあまり飲みません。
普通の赤ちゃんでもそういうことはよくあります。
でも、ひなこは小さくてまだ抵抗力も弱いので、なんとか母乳をたくさん飲んで欲しいとかなり神経質になっていました。
1時間もかかってほんの少ししか飲まず、また1時間ほどでお腹がすく。
母乳を吸うのに疲れて寝てしまうから、追加でミルクを飲ませるタイミングも失ってしまう。
思い切って最初からミルクを飲ませるようになるまでは、体力的にも精神的にも結構疲れていました。

未熟児で産まれたため、退院後も病院の発達外来(フォロー)や保健所の未熟児検診に通いました。
しばらくは順調でした。いつも言われるのは「小さいなりにグラフの成長曲線に沿っているから心配ないですよ」ということでした。
ある日、保健所の未熟児検診に行った時のことです。いつものように計測をした後、先生の診察がありました。
体の発達具合をチェックしながら、先生はやたら足を気にしています。
「足の緊張が気になりますね。」
確かに、ひなこはよくつま先立ちをするようなかたちに足首をピンと伸ばしていて、他の赤ちゃんがよくするという
「つま先を手でもって口元へ持っていく」ような仕草はしたことがありませんでした。
その日は様子を見ることにしましたが、次回の検診でもやはり同じだったため、専門の先生を紹介してもらうことになりました。 

3月の終わり、リハビリテーションを専門に行っている整形外科に行き、診察をうけました。
今の段階ではまだはっきりとは言えないが、と前置き、先生はこう言いました。
 自分の意志ではなく、無意識に下半身がつっぱっている。
 脳が未熟なまま産まれた影響か、脳からの命令がうまく下半身に伝わっていないのではないか?
 足首の動かし方や力の入れ方を教えてやる訓練をしないと、下半身の発達がだんだん遅れていくおそれがある。
脳性麻痺ということも可能性としてはありましたが、まだ9か月ではわからないということです。
さいわい足の機能には問題がなさそうですが、とにかくこのままほっておくのは良くないので、定期的に訓練に通うことになりました。