平成20年3月15日(50年の教員生活を終えることにしました。最後の授業で「通知簿」をもらいました。)

 昭和33年からの学校勤務も3月で50年,区切りの良いところで終えさせていただくことにしました。
 2月23日,24日のA,B,C,D,E各クラスの授業が最後の時間にです。この時間には「地表の変化」を取り上げ,白浜の円月島,串本の橋杭岩などいくつかの侵食による美しい景観を紹介しながら,流水のはたらきなどによってこうした美しい景観が作られていることを学ばせました。そして,これからも,旅先などで,いろいろな自然に触れて学んで欲しいと話しました。最後に,50年の思い出の中から3つのお願いをしました。
1 いつまでも学び続けて欲しいこと
 中学校を卒業して中華料理の世界に入ったM君は,勤務先の都合で和食も担当することになりました。その店には卵焼きの名人がいました。「よし,俺もやるぞ」彼は,道具を借りて帰り毎日毎日卵焼きの練習をしました。数百個の卵が卵焼きになりました。家族は「もう卵焼きは結構だ」と言ったそうですが,店に出すことのできる卵焼きができたと言います。職人は毎日が勉強だと言っています。これから高校に,大学に,という希望を持っている本校の生徒にとっても学び続けることが大切なことなのです。
2 やさしい気持ちを大切にして欲しいこと
 教員としてのごく最初の頃,授業時間にお漏らしをした子どもがいました。教師である私が「どうしよう」と立ちすくんでいたとき,そっと雑巾を持って立ち上がり,拭いてくれた女の子がいました。それを見たみんなが雑巾を持って立ち上がりました。その後のことは省略しますが,こんなやさしい気持ちをいつまでも大切にしたいと思います。
3 いつも新しい課題に挑戦して欲しいこと
 K君は工業高校の先生です。彼と生徒が挑戦していること,それは世界に通じる研究です。傾いた路面でも安全に走れる電脳車いすは,アメリカで開かれたコンテストで第3位に入賞しました。次は,新しい考え方による風力発電です。

 3つのお願いのあと,私の通知簿をつけてもらいました。プリントを配り無記名で答えてもらった調査,遠慮なく書けるように気をつけての調査です。結果は「先生の説明は分かりやすい」に対して「そう思う」と「ややそう思う」を合わせると97%,「先生の説明は面白い」が同じく95%でした。もちろん,分かりやすいとは「全く思わない」が2人,説明が面白いとは「全く思わない」が3人ということについては,これからも,家庭教育学級でのお話,高齢者学級の仕事などで,努力していかなければならないと思っています。

1 あと数時間というときの授業です 2 美しい自然が授業の対象です 3 K君の学校の風力発電です

 


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