平成15年12月18日(「ちょっと意地悪かな?」と思いつつ,こんな問題を期末考査に出しました。)

 2学期の期末考査が終わりました。週1時間の私の授業ですから,範囲はわずかです。「このままでは易しすぎるなあ」とこんな問題を出してみました。
その1
 透明半球を使った太陽の動きの観察結果から,いつの観察なのだろうと考えさせる問題です。この記録では太陽が真東から出て真西に沈んでいますから,「春分か秋分である」ということになるのですが,「1つ書いたらもう安心」ということになりそうです。一応,「この観測をしたのは,春分,夏至,秋分,冬至のいつと考えるのが適当か。」という問いの「いつと考えるのが適当か」という部分に下線をつけるというサービスをしました。ほとんどの生徒が2つを答えていました。そんな中に,「春分か秋分の日の午前中と考えられる」という答えがありました。
 なるほど,太陽の位置が南中しているところより東側にあるところに注目したようです。答案返却のときに「このような答えがあったよ」と話すと「なるほど,そうか,偉いなあ」と感心する声があがりました。出題者の私がそこまで考えていなかったのですから,すばらしい解答だと,うんとほめました。
その2
 授業中にはまったく触れなかった南極での皆既日食からの出題です。天文の学習をしているのだから,こんなことにも目をつけてほしいと思うのです。
 問題6には,
「次の文章は,天文学での珍しい現象が見られた平成15年11月24日の奈良園子ちゃんの日記である。(   )に適する語を書け。
 今日は( @ )を見ることができると新聞やテレビで報道され,テレビでは中継放送もされるとのことであった。今回の( @ )は( A )が完全に見えなくなるので( B )( @ )といわれるものである。これが( C )で起こるのである。( C )での科学的な研究のために人が生活するようになってから,まだ日が浅いのだから,これは人類にとっても初体験ということになる。
 帰宅後,この放送を見た。( A )がしだいに細く,三日月のようになり,完全に真っ黒になった。そして,真っ黒な太陽のまわりに明るい光が見えた。日食のときにしか見ることのできない( D )というものである。毛利衛さんは,この色を真珠色の輝きと表現されていた。平成( E )年には日本でも屋久島から奄美大島にかけての地域で見られるということだから,少々遠いところであるけれども,今からお小遣いを貯めておいてぜひ見に行きたいと思う。その頃の私は何をしているのだろうか。」
と書きました。
 大勢の生徒が正しく答えてくれましたが,このことを全く知らない様子の生徒もいました。
 理科の時間に学習したことをきっかけに,いろいろなことに興味を持ち,関心を高め,自ら考えてみよう,もっと調べてみよう,そんな意気込みで学習に向き合ってほしいものです。これは,どの教科の学習にもいえることであり,今の子どもたちに欠けていることの1つであるように思います。



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