平成15年11月22日(「今,子どもたちに学ばせたいこと」と題してお話をさせていただきました。鍵・唐古史跡の近くの北小学校です。)

田原本町立北小学校教育後援会で,「今,子どもたちに学ばせたいこと」というタイトルでお話をさせていただくことになりました。
 子どもたちに学ばせたいことといっても,それはいろいろです。今,NHKで放映されている朝の連続テレビ小説「てるてる家族」でも,長女の春子はスケートを,2女の夏子は梅田コマ劇場の舞台に立ち,3女の秋子は本が大好き,今はシュールレアリズムの絵画に興味を持っています。4女の冬子は浄瑠璃を習いたいという希望を持っています。10人10色,人さまざまなのです。いろいろあって当然,いろいろあっていいのです。違っていていいのです。
 基本的にはこんなふうに考えているのですが,この日は,学ぶことの基本として,「問題に気づき,その課題を解決するためにはどうしたらいいのだろうと考え,見い出した方法を使って解決しようとがんばり,結論を見つけたときの喜びを十分に味わい,それをバネに新しいことに取り組む」そんなことを小学校の時代に体験し,このような過程の中で学びとって欲しいということを,いつものように45年間の教員生活での体験を例に,お話させていただきました。この中では,サワガニ博士のAちゃん,省エネカーなどを生徒と共に創り出してきた高校教員のK君,竹という素材を生かして虫を製作しているT君などを登場させました。
 Y校長先生は「理科は苦手で…」とおっしゃっていましたが,以前から国語の指導については定評のある方で,県教育委員会にいるときにもいろいろとお世話になっていますし,観察したこと,考えたことを表現していく国語の実践の中で理科的な学びを十分になさっているように思いました。U教頭先生は理科がご専門で,この回の講演では資料の提示などにお手伝いをいただき,いろいろとお世話になりました。びっくりしたのがPTA会長のFさんです。理科の大先輩であるF先生のご子息で私の勤務していた市に転勤して来られと頃から熱心な先生であることを知っていましたし,奥さんは同じ学校に勤務したすばらしい先生でした。こ向こうに復元された楼閣が見えますんな会長さんからお礼の言葉を聞き大型建物の跡です,世の中ってほんとうに狭いものだなあと思いました。
 会場になった音楽室からは,今も発掘調査が続いている鍵・唐古遺跡が見えました。先日開かれた現地説明会には私も参加しています。見学に行かれた保護者も多いようでした。身近な自然,文化への探究心が学習の発端であり,そうしたことに興味をもつことがまずは大切なのです。北小学校の子どもたちがいろいろなことに興味を持ち,お父さんやお母さんたちがも好奇心を燃やし,子どもといっしょに考えてみようという生活をして欲しいと思いました。
 今年の流行語大賞の中には「なんでだろう」が入っているのです。「なんでだろう」は学習の基本なのです。

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