長良川河口堰と鮎の遡上問題
稚アユの降下について
稚アユの推定降下量は1立法mあたりの稚アユの密度を1時間ごとに測定し、その平均値を基にその日の24時間の降下量が算出される。調査はこのように算出された降下量を積上げていく形で推定される。この方法は川の横断面の降下密度は均一と仮定して求められているので、誤差が少なからず含まれていると考えられるが、実測で得られた密度の平均が基準になっているので、実数に近い数値を示しているものと考えられる。
この調査は長良川河口より約10kmの地点で行われている。したがって、河口付近までは稚アユは順調に降下しているものと考えられるが、河口堰の下流側では同様の調査が行われていないため、稚アユが順調に河口堰を通過できているかどうかは不明である。
参考資料
独立行政法人 水資源機構 長良川河口堰管理所「長良川河口堰調査報告書」(2005)
日本自然保護協会 報告書「長良川河口堰事業の問題点・第3次報告」(1996)
日本自然保護協会 報告書「長良川河口堰が自然環境に与えた影響」(1999)
日本自然保護協会 報告書「河口堰の生態系への影響と河口域の保全」(2000)
図U−5 稚アユの推定降下量
(「長良川河口堰調査報告書」(2005)より作成)