長良川河口堰と鮎の遡上問題
水質班
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ヨシ原の縮小
 近年、長良川河口におけるヨシ群生地の面積が縮小傾向にある。浚渫してできた土砂を人口干潟に利用し、人工的にヨシ原を造る試みがされるようになってからは、ヨシ群生地の面積縮小に歯止めがかかりつつあるが、依然、ヨシ原の縮小が続いている。
 河口堰の完成によって、河口から汽水域が失われたことと関係しているという指摘があるものの、原因の追究には至っていない。河口堰の完成と自然環境の変化の因果関係は否定できないのは確かである。しかし、河口堰の稼動前からヨシ原の縮小が始まっていたことを考えると、既に河口付近の自然環境の悪化が始まっており、河口堰の稼動がそれを一気に進行させたと考えるのが自然である。
 したがって、人工的に植えたヨシが安定して育つように、ヨシ原に堆積した土砂が流されないようにするか、流された土砂の分だけ新しい土砂を補充するかしてヨシ原の復元に力を入れるべきである。加えて、既存のヨシ原の保護を今以上に進めるべきである。
図U−1 河口におけるヨシ群生地の面積
(「長良川河口堰調査報告書」(2005)より作成)
右:ヨシ
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参考資料
 アクアプラザながらの展示パネル
 アクアプラザながら パンフレット「長良川河口堰とともに「川・人・いのち」(2005)
 独立行政法人 水資源機構 長良川河口堰管理所「長良川河口堰調査報告書」(2005)
 日本自然保護協会 報告書「長良川河口堰事業の問題点・第3次報告」(1996)
 日本自然保護協会 報告書「長良川河口堰が自然環境に与えた影響」(1999)
 日本自然保護協会 報告書「河口堰の生態系への影響と河口域の保全」(2000)