〜 JUNE VERSION '98 〜

 

【ほおづき市】

 7月9日、10日の四万六千日の日、浅草寺の環内は、450店の「ほおづき屋」と300店の売店でうまり、夜を徹して賑やかな売声は浅草の夜空にこだまします。

この市の人気者である千成りほおづきは、このたった2日間の浅草の四万六千日を目指して、春先から江戸川の鹿骨町で栽培されますが、天候に左右され出来不出来の多い植物であるため、不作の年には値段の高騰を招くといわれます。

 

ではこのほおづき市はいつ頃から起こったのでしょう?

 

このほおづき市も二百年近く昔の明和年中に起こったといわれ、山東京山の「珠蜘の糸巻」によると、

 芝青松寺の門前の武家屋敷に奉公していた仲間が、6月23日の朝、庭を掃除中に一株の千成ほおづきを発見し、前夜愛宕権現の霊夢にあずかった事を思い出し、

「6月24日に功徳日に青ほおづきの実を、愛宕の神前にて水で鵜呑みにすれば、大人は癪の種を切り、子供は虫の気を封ずる」というお告げがあったと吹聴したところ、これを早速翌24日に試みる人があり、不思議と効能があったため、いつしか境内に御夢想の虫薬と称して、青ほおづきの市が立つようになったといわれます。

この6月24日は愛宕権現の本池仏「地蔵様」のご縁日で、而も四万六千日に当るとされていました。元来、四万六千日は観音様の功徳日であったことからいつしか浅草にもほおづき市が立つようになり、かえって愛宕をしのぎ盛大になった訳です。

 

ではちょっと質問、

 青ほおづきは、江戸時代には薬用として用いられてきましたが、何の薬として用いられたのでしょう?

 

その答えは、

 青ほおづきは、漢方では解熱剤や婦人の胎熱に特効があるとして用いられてきました。したがって、こうした事もまんざらいわれのない事ではないようですね。

 

 ぜひ一度、ほおづき市に行ってみられてはいかが??

 

     

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