〜 JUNE VERSION '98 〜

 

 ひと雨ごとに緑は深く、あじさいは七変化し、色鮮やかな風景をつくりだしている。6月の色はあじさいの絶妙のグラデーション・・・。

もともとは、野生のガクアジサイを園芸用に改良したもので、花びらに見えるのはガクの変形です。装飾花といわれる飾りの花が目立ち、本当の花はその真ん中にある小さい粒状のものです。

このあじさいという名の由来は、集真藍(あずさあい)、つまり、あづ(集まる)さあい(真の藍色)から生まれたもので、青い花が集まって咲くところからの名づけられたと言われる。紫陽花という漢字は白楽天の詩からとられたが、中国ではまったく別の植物の名前である。

 土の酸性度によって、青くなったり、赤みを帯びたりすると言われますが、酸性度と色の関係は、はっきり分かってないそうです。

 

大和を代表するあじさいの名所・矢田寺

紫陽花寺と言えば大和郡山の矢田寺とその名があがるほど、矢田寺のあじさいは有名。地蔵信仰を集める寺だけに、境内にはお地蔵様が多く、あじさいの花かげにひっそりとたたずむ姿も風情があります。丘陵に広がる境内にはおよそ60種、7000株ものあじさいが植えられ、一面に咲き誇ります。

 

石仏の里を彩る、隠れ寺のあじさい・岩船寺

岩船寺は京都府の南端、奈良県との境を接する、当尾と呼ばれる小さな里にひっそりとたたずむ古寺です。もう一つの名刹である浄瑠璃寺と結ぶ2キロ程の道には、石仏や磨崖仏が多く見られ、かつて修験僧の隠れ里であった名残が偲ばれます。およそ3000株のあじさいが植えられ、6月中旬頃から約1ヵ月間にわたって山深い寺の境内に清楚に彩ります。

 

それでは最後に、

あじさいの学名を「オタクサ」といいますが、どうしてこの名がついたのか御存知ですか??

  • ・・答えは、

 幕末に長崎に来ていた医師シーボルトが、彼の著書『日本植物誌』であじさいを発表し、世界に広めたのである。この「オタクサ」という名は彼の愛した女性、“お滝さん”にちなんだものだと言われている。御存知でした??

 

 

     

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