【ハチ高原スキー場・スキーアカデミー】

 '95〜'96シーズンに所属していたスキーアカデミーは、ハチ高原スキー場(兵庫県)にあるスキースクールで、ここでは主に修学旅行生と一般客の指導にあたりました。この'95〜'96シーズンは、ここ兵庫県でも十数年ぶりの大雪といわれた年で、近頃よく言われている暖冬・雪不足を感じさせないシーズンでした。

 

 

▲ スキーアカデミーのスタッフ

  

 ここスキーアカデミーでは、修学旅行生のレッスンを多く担当していました。みんな同じウエアを着て、ゼッケンをつけた生徒を十数人引き連れ、レッスンしている姿―スキー場でよく目にする光景―あれがそう、修学旅行生のレッスンなのです。

 生徒がみんな同じウエアを着て、同じゴーグルをして同じニットをかぶるため(レンタルだから)、誰が誰か分からないってやつですね。(笑) ホント最初はゼッケンで見分けるしかないもの・・。みんなから「ダサイッ」と評判の?ゼッケンで・・。

 しかしレッスンしていると自分の担当している生徒はちゃんと分かるようになります。だいたいみんな同じように上達していても、やはり滑り方は十人十色。やはりそれぞれの個性があります。

 でもみんな2,3日も滑れば、結構うまく滑れるようになるものです。最初はスキーをしたことがなくてスキーを履いたら動けず、いやいややっていた人も、2日目、3日目にもなれば、「楽しいっ、もっと滑ろう」と言って自分から滑り出したりし、またレッスンが終わっても「まだ滑る」と言ってがんばって滑ってる人がほとんどです。

 そう言ってもらえると、レッスンしているこちらもうれしいものです。やはり教えている以上は、上達してもらいたいし、またスキーを楽しんでもらいたいですしね。

                                                                

        

 

 ところが、スキー場には雪が降ります。当たり前ですが・・。当然雪が降ってくれないと困るのですが、吹雪の日もあるということです。吹雪だと視界は悪いし、寒いわで生徒もとたんに元気がなくなります。「もう今日はやめよ〜」という声が聞こえてきます。それでも当然我らイントラは、「ダメー、さぁやるぞ!」と言ってレッスンをしますが、吹雪の時はこちらだってイヤですよ。(笑) 寒いし・・。

 吹雪の日もありゃー雨の日だってあるわけです。こういう天候に恵まれなかった日は結構つらいものです。吹雪なんかだとゲレンデなどでならぶ時、生徒の背後から風が吹くようにたたせるので、当然、我らイントラは向かい風。もう寒いの何のって、ホントに寒い。寒さで顔面が固まってしゃべれなくなるくらい・・。でも、かわいい生徒のためなら吹雪の寒さなんてなんのその?!

 修学旅行生だと大抵1グループ15,6人。これが少ないようで結構多いのだ。問題が生じやすいのはリフトの乗り降り。これにてこずる事は結構多い。特にリフト降り場。「ほっておいたら、こけた生徒の山・・」って事もありえるから恐ろしいものである。なかなか慣れないと(すぐに慣れるのだけど最初がね)リフトの乗り降りというのは、やりにくいので、一人がこけると、こけなくてもいい人までツラレテこけてしまうのだ。この救出劇もなかなか一苦労。(笑) なにせリフトというのは‘ベルトコンベアー’のように次々と人を運んでくるからね。まっ、危ない時はちゃんと止めてくれるけど・・。(笑)

 あともう一つは、‘林間コース’に連れて行く時である。たいてい修学旅行等であれば、2日目か3日目には林間コースに行くことが多い。林間コースは景色がよかったり、また斜度は比較的緩やかであり、そういった面では問題ないのだが、なにせ林道なので幅が狭い。したがって、山側にささったり、あるいは谷側に落ちそうになったりと、なかなかヒヤヒヤさせてくれる。ちゃんと滑れるようになってからしか行かないので大丈夫なのだが・・。また渋滞することもあったりと。しかし林間コースというのは景色もよく、コースも長いのでなかなか楽しめるのも事実である。

 こうしたようにスキーインストラクターというのはなかなか楽しいものである。スキー場での事故・怪我等には当然気をつかうが、楽しみもやりがいもある。生徒が「滑れるようになった」と嬉しそうに見せる笑顔が何よりも一番うれしいものなのです。

 では次に、'96〜'97シーズンの話に移りましょう。