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柱カウンターウェイト検証実験(本実験)


4.考察

D直交耐力壁の有無によるカウンターウェイトへの影響について

直交耐力壁の有無による影響はほとんど見られなかった。

今回の試験体の合板耐力壁は梁に直接釘打ちされておらず(載荷方向の耐力壁は土台とも釘打ちされていない)、また、変位制御での実験であるため建物のねじれも発生しないので、カウンターウェイト・水平耐力に直交耐力壁の影響はほとんどなかったといえる。 

ただし、直交壁(または耐力壁)の柱頭柱脚が金物で緊結されている場合(No.3-2、3-4、4-4)、金物による押さえ込みが追加され、金物なしに比べ耐力の上昇が見られた(E参照)。


E直交壁構面柱頭部の金物の影響

直交壁構面の柱頭部(Y通り(直交方向)のみ柱脚部はすべて金物で緊結し、合板も土台に釘打ちされている)に金物が設置されている場合、若干(1割程度)浮き上がり範囲(カウンターウェイト)が減少するが、金物抵抗がある分水平耐力が上昇した。

カウンターウェイトは減ったものの、直交壁柱頭の金物があることにより、その直交梁による押さえ込み抵抗がそれ以上に増大した結果である。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2004