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釘の打ち方まで注意する必要性


6.実験結果よりの壁倍率


実験結果よりの完全弾塑性グラフ

新許容応力度設計法の完全弾塑性による評価(上図)を行い、短期許容耐力を下記により算定を行なった。

短期許容耐力 Pa = ばらつき係数 × 
  以下の最小値
  降伏耐力 Py = 18.0 kN
  2/3Pmax = 13.7kN
  0.2×√(2μ-1)×終局耐力 Pu =  9.2kN
  P150(真の変形角1/150時の耐力) = 14.0kN

今回は一体しか実験を行なっていないが、仮に0.9程度のばらつき係数を仮定し、許容耐力を求める。

短期許容耐力 Pa = ばらつき係数×= 0.90 × 9.2 = 8.28 kN

壁倍率 = 許容耐力 ÷ (耐力壁長さ×1960N)

        =8.28 ÷ (1.82×1.96)= 2.3 (倍)

2×4用のCN50釘は一般のN50釘よりもやや太めで耐力が高いので、本来ならば、壁倍率が3倍近く、あるいはそれ以上でてもおかしくない。
今回は一体のみの試験なので壁倍率については何ともいえないが、このような釘打ち状態では場合によっては耐力は正規の6割程度まで低下することが報告されている。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003