← →次へ

釘の打ち方を注意する必要


1.はじめに


面材自体が変形すると誤解されがちだが、一般に使われている仕様の面材貼耐力壁の耐力は、多くの場合、ファスナー(釘やビス等の接合具)部分の耐力で決定される。


また、補強金物類の耐力も多くの場合ファスナーの耐力で決定されている。


ファスナーの耐力は長さや径のほかに打ち方・取付け方も影響するため、釘やビスを適切に設置することは耐力壁や補強金物の耐力を発揮させるためにきわめて重要であり注意が必要なことなのである。


実際に釘の打ち方が耐力にどれほど影響を与えるか、合板貼耐力壁の例をあげてみる。


耐力壁の耐力を計測する実験を行う(計算で耐力を求める場合も、釘の耐力は実験することになっている。)場合、常識的に考えれば、わざと乱雑につくったりした試験体を使って実験することはまずない。


大体は、標準程度ということで、そこそこきれいに作られている。


釘に関して言えば、大抵は手打ちで打たれ、釘の頭が合板の面にあうように作られる。


耐力壁の耐力などはこれらの試験を元に決められているので、本来ならば、実際に作る際にも、同じ程度の施工が要求されるはずである。


そこで今回は、釘の打ち込み過ぎによる影響が、耐力壁としての性能に対して、どの程度影響するか実験・検証を行うこととした。


    ← →次へ



 ©Tahara Architect & Associates, 2004