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ホールダウン金物用座付きアンカーボルトを使用した場合の問題点


M擬似アンカーボルトの検査方法

通常の施工では、ホールダウン金物用のアンカーボルトが、全て土台芯や筋かいに干渉しない様に納まることは考えにくく、3〜5mm程度の芯ずれが生じている場合が多く、ひどいものは10mm以上のずれが生じる場合がある。

つまり、アンカーボルト全てが都合良く納まっている場合には、座付きボルトで収めている可能性が高い。

前記のように収めてしまえば、単なる目視検査だけでは確認できない。

そのため筆者は、誤魔化していると思われる施工現場においては、独自の検査方法によりチェックしている。

それは、千枚通し等の非常に細いもの針状のもの(土台が割れ防止)で、土台の下部(土台下端より5mm程度のところ)を突き刺し、その部分に座金があれば、20mm程度の位置で針の先が座金に当たるので、確認が可能である。(下図)




あとで施工者側から「土台が傷付いたからどうしてくれるんだ」と、文句を言われた場合には、その箇所をかなづちで軽く叩けば、針のような跡はほとんど見えなくなるので、筆者の場合には、時々このような検査をしている。

ここまできちんと対応している構造監理者は皆無と思われるが、施主のために最大限のことをするのが、建築士の役目だと思う。



検査官の方にも一言、言いたい。

あんなに短い時間(約20〜30分)で、あのような金額で、さらにあのようないい加減な検査では、検査をする意味がないと思われる。

現在のように、高倍率の耐力壁を多用した木造軸組住宅においては、終局時の接合部における重要性を、木造住宅に関わる全ての人が理解し施工する事が重要である。

だから、最終チェック機構である検査官は、この重要な接合部に、さらに関心を持って検査すべきであるのだが・・・・



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 ©Tahara Architect & Associates, 2003