前へ← →次へ

ホールダウン金物用座付きアンカーボルトを使用した場合の問題点


J座付きボルトにおける施工において現状における欠点

ホールダウン金物を座付きボルトにて設置した場合、その両側をアンカーボルトで緊結する必要があるが、そのアンカーボルトの種類や距離、座金の種類等をいい加減な施工をしていると、接合部の耐力が低下してしまう。


たとえば、アンカーボルトをA−70ではなく、通常のAボルトで施工すると、M12ボルトに対応した座金は40mm角なので小さな座金となる。

高倍率の耐力壁からの引き抜き力に対して、小さな座金(40角×4.5)で押さえつけてもその座金がすぐに曲げ降伏を起こし、座金が土台へとめり込むため変形が進むので、結果的にホールダウン金物の耐力が1〜2割程度低下してしまう恐れがある。


また、座付きボルトの両脇に設置するアンカーボルトが、離れて施工されると、引き抜き力が発生した際に土台の曲げ又はせん断破壊となる可能性がある。


つまり、10kNを超えるタイプのホールダウン金物では、その所定の耐力を発揮する前に土台の曲げやせん断で破壊してしまい、25kN用となると必ず土台で破壊する可能性があり、規定の半分の性能も得られなくなり、思いもよらぬ脆性破壊へとつながる恐れがある。 (下図)



前へ← →次へ



 ©Tahara Architect & Associates, 2003