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ホールダウン金物用座付きアンカーボルトを使用した場合の問題点


@はじめに

ホールダウン金物を設置する際、基礎に埋め込んだアンカーボルトに緊結する他、土台を介して座付きボルトを使用する方法がある。

この方法は、建築基準法の告示1460号表3にその緊結方法が記されており、ホールダウン金物10kN用に関しては座付きボルトでの土台との緊結も容認しているが、その他の15kN以上のタイプには、「土台を除く」と記されており、その仕様を容認していない。

つまり、15kN以上のタイプは基礎へ直接アンカーボルトで緊結しなくてはいけないということである。

その際には、座付きボルトに取り付くホールダウン金物の両脇に、アンカーボルトA−70の上、80角×9.0の座金で緊結するという方法があるが、この方法で性能的に許容応力度を満足するのは、安全を考慮すれば10kN用のみである。(下左図)

しかし現実には、上右図に示すように座付きボルトのホールダウン金物をセットした場合に、その両サイドには通常土台にセットするアンカーボルトAが、座金40角×4.5の小さな座金で設置されているだけである。

これでは、地震等により引き抜き力が発生したとき、中規模地震時における許容耐力が10kNにも満たなくなる可能性もあるため、危険な設置方法である。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003