第4章 構造形態による力の流れ


3 オーバーハング

オーバーハング構造は乱暴に言えば持ち出しベランダに壁と屋根をつけたようなものです。鉛直方向の力は持ち出し梁で処理されます。一方、水平力の処理は複雑になります。(Fig.4-4)

                 (風荷重)
                   ↓
(屋根荷重) → 屋根 → オーバーハング部分外壁 → オーバーハング部分床 → 1階外壁 → 地盤
img:オーバーハング
Fig.4-4 オーバーハング

耐力壁の転倒モーメントによって、前面の壁に浮上り・沈み込みが生じると、それにより2次的・3次的に持ち出し部分にも変形が生じます。(ロッキング現象、Fig.4-5) そのため、オーバーハングに耐力壁を設けることは慎重にならなければなりません。また、外壁の仕上によっては耐力壁ではなくても剛性が高くなり、力が集中するので、注意しなければなりません。

第4章 1 屋根からの力の流れ

img:ロッキング
Fig.4-5 ロッキング