マシュー・ブロデリック、ルトガー・ハウアー、ミシェル・ファイファー主演、1985年制作・アメリカ映画です。
あらすじ:13世紀イタリアのアクイラ。かつて脱獄した者はいないといわれるここの大聖堂地下の牢獄から逃げ出したスリのフィリップ
(ブロデリック)は司教に命じられた追っ手に捕らえられるが、肩に鷹をとまらせ馬にのった騎士ナバール(ハウアー)に救われる。ふたりは森で一件の
木こりの家に泊めてもらうが実は旅人を殺して金品を奪っていた木こりはフィリップに襲いかかる。そこに一匹の狼と
イザボーと名乗る美しい女性(ファイファー)が現れ、フィリップを助ける。次の日、逃げだそうとするフィリップの元にナバールが現れ、
司教を殺すためにアクイラの大聖堂へ潜入する方法を探していたといい、そこから脱獄してきたフィリップを「導きの天使」だと言った。
司教はナバールが現れたことを知り、追っ手を放つ。追っ手の放った矢で鷹が傷つき、ナバールはフィリップに鷹を
インペリアスという僧の元へ連れて行くようにいう。やがて夜になり、フィリップは鷹がイザボーに変わるのを目撃する。
彼女はフィリップに事情を話した。イザボーとナバールは愛し合っていたが、アクイラの司教もイザボーの美しさに魅せられていて
二人の仲を知る僧が司教にふたりのことを告げ口し、嫉妬に狂った司教が悪魔と取引をして二人に呪いをかけたのである。
イザボーは夜は人間の姿だが夜が明けると鷹に、ナバールは昼間は人間だが夜になると狼になり、ふたりが人間として出会えるのは
日の出と日没の一瞬だけという運命を背負わされてしまっていた。ふたりは鷹と狼である間は人間であることをまったく
忘れてしまっていて互いの側にいることもわからないという。それを聞いたフィリップはふたりの想いを互いに伝える役目を
するようになっていった。ふたりが呪いをとくチャンスは昼でありながら夜が訪れる「日食」の日…。
実はふたりのことを司教に告げ口したのはインペリアスだったが彼は後悔し、なんとかふたりを助けようとしていた。
それからも何度も司教の追っ手に追われ危機にさらされるが、フィリップやインペリアスにも助けられ、
そして運命の日食の日、彼らはアクイラの門をくぐり、フィリップがかつて脱獄に使った下水道や地下迷路を通って
ついに大聖堂に足を踏み入れた…
タイトルは「レディ・ホーク」つまりM.ファイファー演じるイザボーのことなんですが、映画のキャストで最初にクレジット
されていたのはフィリップ役のM.ブロデリックでした。M.ブロデリックはこのフィリップという役どころにぴったりだと思います。
ちょっと笑いのスパイスも加えています。でもやはりこの映画の中心はナバールとイザボーの悲劇的ロマンスでしょう。
R.ハウアーは繊細で知的なムードと肉体派的雰囲気の両方を兼ね備えていて騎士によく合っていますし、M.ファイファーはいわゆる
正統派の美女ではありませんが、肉感的とは対照的な容姿とミステリアスな雰囲気がこの映画のヒロインにはまっています。
夜明けの一瞬に触れる間もなく目の前で鷹に変わっていくイザボーを見るナバールの嘆きと切ない瞳がなんともたまりません。
中世イタリアの風景や建物を求めてイタリア縦断ロケを行ったそうですが、ヨーロッパには今でもこんな雰囲気が残っている
んだなぁと感嘆します。ロケ中、狼と鷹の調教師が一番忙しかったとか。
この絵はラスト、ついに大聖堂で司教を倒して呪いが解けたふたりのシーンに、ポスター的な構図をプラスしました。
中世ファンタジーと少々のスリルとラブロマンス、そしてハッピーエンドが好きな方にはお勧めです♪
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