■終了リポート
話が大いに盛り上がり、 時間を1時間近くオ−バ−質疑応答が相次ぎました。
さらに、有志で近くの喫茶店で1時間以上お話いただき普段は聞けない話も、うかがえました。
講演記録抄
○お好み焼き屋には、いい人材が来なかったので、
自分の手で育てるしかなかったのです。
○わたしは3年で習う九九ができず4年生のときやっとできるようになりました。
だから学校の成績のいい悪いは、社会では関係ありません。
できの悪い子を育てたらいいのです。
○このような子から学ぶことがいっぱいあります。
だから、教育でなく共育です。ともに学んでいます。
○こういう子の中から幹部が育っていくのですが、
ほんとに楽しみです。うれしいんです。
○吉兆の教え
「商売とは人柄で決まるのやで」
○根っこが腐ってたらあかん。
花は枝についている。枝は幹についている。
幹は根っこの上に立っている。
この根っこが腐ってたらどうにもならんのです。
枝や幹は行動や。根っこは心や。
○昔の修身の教科書は、基本が書いてある。
これをやらなあかんのや。
○昔は、しつけや道徳は、家で教わっていたが、今はでけてへん。
だから会社で、道徳教育からせなあかんです。
○千房ではマニュアルがなかったのですが、いまではいるのです。
最低限のこと、基本を教えな、いかんから。
○新店ができたとき。
「ええ店できたなあ。でも仏作って魂入れずや」
「どうしたら魂入れられるかわかるか」
「それはグラスやお皿を心をこめて磨くことや」
「そしたら、ええ店になるのやで」
○ノウハウやハウツーの教育より、基礎作りが大切や。
原点に返ることが大切なんです。
○私は5年の丁稚奉公で、耐えることを学びました。
親のお陰です。
○わたしの月給は最初2000円で5000円もらってました。
しかし同僚が1万円もらってたので、あほらしいので辞めようと思いましたが、
親の説得で、とどまりました。
○お金は使わなんだらたまるのです。(と兄から教わりました)
休みは月2日ありましたが、1日は働きました。
そして1000円ほど余分にもらいました。
私は5000円は全部貯金しました。
1万円の子は、2000円しか貯金してませんでした。
そして金銭出納簿をきちんとつけました。
今度の講演では、金銭出納簿の後日談がありませんでしたが、
あとで、この金銭出納簿が信用の元になったのです。
○貧乏人の子でないと、大金持ちにはなれません。
お金の大切さ、モノの大切さを、徹底的に知っているからです。
○鉛筆や書類はさみでも大切にせなあきません。
大切にしたら、鉛筆や書類はさみが、自分を応援してくれます。
「あんたがんばりや」言うて。
○ベンツも30年、32万キロ乗りました。
この背広は、25000円です。大事に着てます。
○フリーターとかニートは、怠け者の無職です。
今の日本には3万職種あります。
能力があるかないか、こんなもんやってみなわからへんのです。
だからやったらええのです。
○今度、大阪の達人いう本に私が選ばれたのですが、わたしは達人ではありません。
わたしの周りの人たちが達人だったのです。
わたしはそれらの人の意見を聞いて、ただ実行しただけです。
○1号店の裏に吉本があります。
笑うことは、非常にええことです。
笑うから、おもしろうなるのです。
○皆さん、いっしょに笑ってみましょ。
「あああ」「いいい」「ううう」「えええ」
「ぶぶぶ」5秒以上続けなあかんのです。「べべべ」
○こういうアホみたいなことをまじめにやることが大事なんです。
とくに幹部になる人は。
○感動、感激は、素直でないと味わえません。
○平等と公平は違います。
平等は一律。
公平には順序がつきます。
むかしの学校では、運動会で1等2等つけました。(わたしは1等でした)
今は順序つけずに全員参加賞です。
しかし社会では、順序がつきます。
○道頓堀商店街での話。
一番人が集まったのは、あのワールドカップのときでした。
そのとき、中座の跡でテントを張って観光案内をしました。
景気づけにスタッフがほっぺに国旗を書いたら、みんなが
「それどこで書いてくれるの」ということになり、
希望者みんなに書いてあげることにしました。
そしたら「いくらですか」と聞く人が多かったので、無料でしていたのですが、
カンパをいただくことにしました。
そしたら、あとで箱を開いたら、25万円も入っていました。
これがニーズに応えるということやなと思いました。
○このときは、戎橋から2000人以上の人が飛び込みました。
○阪神が優勝したとき、大勢飛び込むなと思いシャワーなど用意しよかと思ったのですが、
水質が悪いということで調査することにしました。
そしたら水質は、なんと、あの野つぼより悪かったのです。
ついでに、橋の下を底ざらえしたら、なんと18年前の死骸が出てきました。
でも5000人以上の飛込みがありました。
○千房にはライバルはありません。
講演会で、「ぼてじゅうさんどう思われていますか」と聞かれることがありますが、
ぼてじゅうさんは、お好み焼きを日のあたる場所に出してくれはった恩人です。
お好み焼きの同業者も、他の飲食店さんも材料屋さんも、みんな仲間です。
○千房では2メートルのお好み焼きを作ったことがありました。
だからNHKから、10メートルのものを作ってとたのまれました。
2メートルのでも設備に800万円かかりましたが、10メートルのものを
作るには6000万円以上かかるので千房1社ではとてもできません。
そこで、同業者みんなで作ることにしました。
大阪城西の丸で。10数時間生中継してもらいました。
そして、組合もつくりました。
○わたしは同業者から学ぶより、異業種の人から学ぶようにしています。
たとえば、高級クラブでのサービスが、お好み焼き屋でもでけへんのかと。
○一流クラブの一番の売れっ子は、お客様の接待に集中しています。
お客様を見つめ、うなづき、ほほえみ、最後にほめます。
○経営には公式がありません。
だから自分で編み出しました。
○自分で気づいたことは忘れません。
だから気づきの心が必要です。
○経営はカッコつけたらあきません。
(235X4)+(186X5)という計算は、カッコとらなできません。
○経営するには目標が必要です。
目標がないと迷子になります。
迷子は、行き方がわからない。
現在位置がわからない。
方法がわからないのです。
○目標は高いほうがよろしい。
千房が主催で100キロ歩く会をしましたが、
50キロでも100キロでも苦しさは同じです。
新店開店のとき、店長だけでなく全員に目標を聞きます。
そして、一番高い目標にチャレンジするように皆で決めます。
社長からポケットマネーを出すことも約束します。
そうしたらできるのです。
○目標は遠い目標のほうが、集中してやるので早くできるのです。
車の運転と同じで、早く走る場合は、遠くを見ます。そして集中します。
○独立は10人のなかの1人ができます。
その独立した人の10人に1人が長続きして成功するのです。
だから成功できるのは100人に1人です。
でも今は、怠け者が多いから、ちょっと努力したら成功できます。
○人脈とは人が言うものです。
利害でつながった人脈や自分のためにつくる人脈は、すぐ切れます。
人のためにしてあげる人脈は長続きします。
○いい種を蒔くときは、人に見つからないようにしなくてはいけません。
○お互いに欠けてるものを補いあうのが社会なんです。
○勉強するということは仕入れをすることや。
すき焼きをするときの材料の仕入れが勉強で、料理することが行動や。
そして他の人に美味しかったかどうか評価してもらうのです。
○花を見て美しいと思えるのは、その人が美しい心を持っているからだ。
○老後を誰にみてもらいたいか。
長男 一流の大学を出て、一流の会社で部下100人持っている。
次男 高校でて、いい会社で幹部をしている。
三男 中卒で大工をしており、弟子を2人持っている。
90%以上の人が三男に老後をみてほしいと答えます。
であるのに、教育は長男に一番力をいれたのです。
今の社会の大きな問題です。
○このような自分にしてくれたのは両親です。
両親に感謝しています。
◆文責 JBC石黒 一 氏
http://www.jbcenter.co.jp/tibou.html
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