CASE1 「推理不在の解決編」
本来、ひっそりとしているはずの墓場は大勢の客を迎えてにぎわっていた。
人々は一つの墓場の前を取り囲むようにして立っている。
一番前にいた見た目14、5才くらいの普通の女の子が後ろを振り向いた。
「少し下がっててくださいね」 杖で人を遠ざける。
しん、とした静寂が辺りを支配しはじめた。
「これより、契約を履行します」 身の丈ほどもある長杖を高らかに掲げ声高に宣言する。
計25名の成り行きをみまもる者たちがそろって息を呑んだ。
ただ一人の契約者はただ黙って少女を見ていた。
呪文が流れる。
BackstageDrifters.