| プロフィール |
「自然農」は、命の哲学!
竹内 英二(たけうち・えいじ)
昭和38年、福井県生まれ。昭和59年、大阪あべの辻調理師専門学校卒業。ヨーロッパでの料理研修を経て、大阪市内のフランス料理店勤務。30歳を期に無農薬有機栽培で野菜を作り、健康な自然食の料理教室を主宰。奈良自然農会・代表。
私は生駒山の暗峠(くらがりとうげ)で、「自然農」という土を耕さない、無農薬の野菜を作っていました。その畑で感じたことは、「すべては自然という循環の中で生かされている」ということです。そして、大自然の法則の中で、『いのち』をいきいきと輝かせることの大切さを、畑の野菜やたくさんの草々から学びました。
一般的な農業では、畑の土を耕さないと土が固くなり、肥料や水をたっぷり与えないと大きな野菜ができず、虫や雑草を取り除かないと養分が取られて野菜が育たないと、ほとんどの人が思っていますが、実はこれがすべて錯覚なのです! というのも、なんの人の手も入らない森や雑木林の土は、毎年の落葉が堆積し、とっても柔らかで、栄養分豊富なまっ黒な土だからです。人間が誰も耕さなくても、肥料も水も与えなくても、落葉が土に還り、次の『いのち』を生かす因(もと)になっていくのです。
そして、このことは子育て≠ノついても重要なキーワードになるのでは…と思うのです。例えば、現代は過剰なカロリーや糖分の摂取により、子どもの病気や虫歯などが大変増えていますよね。また、寒さに耐えられるよう重ね着をし、身体がそもそも備える抵抗力を低下させているとも言われています。こういった親が与える偏った恩恵を得た結果、子どもが自らの『いのち』を輝かせようとする前に、それを摘んでしまいかねない現状があるのではないでしょうか。 昔のお百姓さんは「栄養過多の稲は、台風に弱く倒れやすいし、虫にやられる確率も高くなる」ということを知っていました。肥料(栄養)を与え過ぎると、植物はあまり広く深く根を張らなくても栄養が摂取できるため、根が短く、細く、弱弱しくなります。親は、子どもが自らの生命力で根を力強く張り、その『いのち』を輝かせられるようほんの少しの手助けを行い、少し離れて見守る余裕を持つことが大事なのです。今の教育に必要なものは、命の哲学だと思います。
|
|