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No.10 品質を保つ為の図面の書き方

2004年3月


4.品質を確保するために

その点、品確法の構造設計(簡易設計法)は、基準法に比べて大幅にチェック機能が強化されていて、木造の構造上の重要な部分の検討が明示されている。

従って、構造上キーポイントとなる項目が大方押さえられている。例え、品確法の申請をしなくても、設計図書で品確法でチェックしている項目を押さえるようにしてみるとよい。

また、施工時に品質を保持する為、という面から言えば、一般的でない箇所の構造はあらかじめ、設計図上で仕様あるいは少なくともその方向性は示しておくべきであろう。

特に真壁造では、意匠上の理由で、納まりや補強金物が制限される場合が多いので、その必要性は大である。

施工者との契約の面から言っても、できるところは、あらかじめ、図面上で指示を行って契約の内容としてきちんと履行を求めるのが正しい方向ではないだろうか。

構造に限らず、途中での設計変更が多くなるとよけいなコストも生じるし、また、他の部分との不整合が生じてどうにもならなくなる場合がある。

そういう場合、今までだと、えてして、構造が犠牲となる場合が多かったのではないだろうか?

筆者は、たとえ前回説明したような"雑壁効果"等によって問題化していなかったとしても、構造にたずさわるものとして、これからはそのようなことはあってはならないと思っているのだが、読者諸兄はどう思われるだろうか、、、。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2004