構造計算では、計画・仮定した架構・構造要素が、構造計画で決めた性能(日本国内であれば、建築基準法等で要求されている性能を内包しているのは当然である。)を満足しているかどうか確認することである。
概略的に述べれば、常時の安心や非常時の安全を確認して示すことである。
具体的に説明すると、例えば2階の床梁であれば、どのような荷重がかかることを想定されるか確認し、その条件で梁に生じる応力・変形を算定して、その値がある一定の基準値までに納まっているか検定することである。
梁の検討で一番の見落としがちな事は、接合部(仕口)で、仕口の横圧縮(めり込み)・せん断・割裂等の検討行うことである。
梁の断面を決定する場合、曲げやたわみではなく、梁部材の端部接合部が決定要因となる場合が結構ある。
特に梁スパンが3m以上の場合や、その検討する梁の中央部等に2階の柱が載っている場合等は、接合部でその部材の性能が決まるといってもよい。
このことが一般に市販されている木造住宅の構造を扱った書物の中には、ほとんど記載されず、この部分での問題が非常におろそかにされていたのが旧来の問題点であった。
上記の問題点は、2001年12月に(財)日本住宅・木材技術センターから発行された「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」において対応している。
これからの性能規定や品確法に対応して木造住宅を設計したいのであれば、構造技術者に構造設計を依頼し、上記のようなことにもきちんと対応した設計をすることが望ましい。
下図に構造設計の流れを示す。