構造設計とは、以下のように表すことが出来る。
構造計画や構造設計は、構造計算をすることであると勘違いしている人がいるが、意匠設計における意匠計画と同様に、構造計画は構造業務において非常に大きなウェイトを占めている部分である。
建物に作用する外力に対して抵抗する為に、どのような架構形式を採用するか、施工性、経済性はどうか、意匠計画・設備計画にマッチするかといった、構造全般について計画することが構造計画である。
どのような建築物を建てるにしろ、最初に構造計画というものが無ければ、後の実施設計や施工段階で構造的な問題が生じ、時間の浪費やコストアップにもつながる。
また、構造的に無理な意匠計画のまま、つじつま合わせの壁量計算でことを済ませてしまうと、安全性が担保しにくくなってしまう。
このことが木造住宅の設計では軽視されることが多い。
構造設計を構造技術者に依頼する場合でも、施主との話し合いによりプランを決定した後で、構造設計を依頼するといった実態がほとんどである。
これでは構造計画をする余地が無く、無理なプランであったとしてもやり直すことも出来ず、構造技術者がむりやりに建物が実際に出来るようにつじつまを合わせているのに過ぎないのである。
木造住宅で構造設計をきちんと行う場合、設計の最初の段階から、意匠設計者・施主と、どのような安全性能がほしいのか、どの程度のコストで、どんな架構空間がほしいのか等を打ち合わせて、要望に応じた構造を確保することが望ましいし、また、施主自身のためでもある。
以下に構造計画の流れを示す。