木構造建築研究所 田原

本ページの内容は2004年改訂版の耐震診断法に関する説明です。2012年改訂版の内容には対応していません。
2012年版については「耐震診断ができる、わかる。耐震補強マニュアル」をご覧ください。

3.3 各部の検討

地盤基礎上部構造評点とリンクしない構造上の問題点等の評価を行います。

3.3.1 地盤

地形・地盤について、下のリストのいずれかに該当するものは、「問題有り」とし、報告します。

これ以外についても、専門的見地から問題のありそうな事象がある場合には併せて報告します。


数値的な評価は行わず、注意の喚起に留まっています。


3.3.2 基礎

基礎の評価は、地盤と基礎の組み合わせに応じて、下表より評価し、該当する評価を報告します。

基礎の評価
地盤の種頼 杭基礎、布基礎、べた基礎 玉石、石積み、
鉄筋が入っている 鉄筋が入っていない ブロック基礎など
良い・普通の地盤 安全である。 ひび割れが入る恐れがある。 玉石などが移動したり、傾く可能性がある。
やや悪い地盤 ひび割れが入る恐れがある。 亀裂が入る恐れがある。 玉石などが移動したり、傾く可能性がある。
非常に悪い地盤 ひび割れが入る恐れがある。
住宅が傾く可能性がある。
大きな亀裂が入る恐れがある。
住宅が傾く可能性が高い。
玉石などが移動したり、不陸が生じる。
住宅が傾く可能性が高い。

地盤の種別は下表による。

地盤の種頼 解説 告示1793号
良い・普通の地盤 洪積台地または同等以上の地盤(下記以外のもの) 第1種地盤
第2種地盤
やや悪い地盤 30mよりも浅い沖積層、埋立地および盛土地で大規模な造成工事(転圧・地盤改良)によるもの
非常に悪い地盤 30mよりも深い沖積層(軟弱層)、海・川・池・招・水田等の埋立地および丘陵地の盛土地で小規模な造成工事によるもの、液状化の可能性があるところ 第3種地盤

一般診断の地盤区分とは微妙に異なる点に注意が必要です。


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