木構造建築研究所 田原

本ページの内容は2004年改訂版の耐震診断法に関する説明です。2012年改訂版の内容には対応していません。
2012年版については「耐震診断ができる、わかる。耐震補強マニュアル」をご覧ください。

2.3.2-1 耐力要素の強さ Pの続き...

2) その他の部分の耐力Peの算出方法

その他の部分の耐力の算出方法として、従来からの、雑壁効果として評点に0.25を加える方法と、新たに150角以上の柱について垂壁付きの独立柱として計算する方法が追加されています。

方法1

方法2が適用できる場合以外は、その他の部分の耐力は雑壁効果として建物全体で求めます。

具体的には下式により必要耐力に係数0.25を乗じて求めます。

Pe=0.25Qr
方法2

伝統構法等で柱径が150mm以上ある場合は、垂壁付独立柱のラーメン効果を下表で求めて、その合計をPeとすることができます。但し方法1と2を併用することはできません。

垂壁のスパンle=1.2m未満の場合
 
柱の小径
垂壁の厚さ
40mm未満 40mm以上70mm未満 70mm以上
150mm以上180mm未満 0.8 1.2 1.0
180mm以上240mm未満 0.9 1.5 2.0
240mm以上 1.0 1.8 2.5
垂壁のスパンle=1.2m以上の場合
 
柱の小径
垂壁の厚さ
40mm未満 40mm以上70mm未満 70mm以上
150mm以上180mm未満 1.3 0.9 0.8
180mm以上240mm未満 1.5 1.7 1.6
240mm以上 1.8 3.2 4.5
表中で  色の部分は柱の折損の可能性があることを示しています。

垂壁のスパンleのとりかたは下図によります(詳細は診断法の解説を参照してください)。

原則として柱間のスパンの中央から中央までを対象となる独立柱の垂壁のスパンleとします(端部は当該柱から柱間のスパンの中央まで)。150角未満の柱については存在しないものとして取扱いします。

独立柱のleの取り方
©2004, tahara architects. last modified 2004/10/19