柱カウンターウェイトは、耐力壁の剛体的回転により梁が浮き上がった際の、柱の長期軸力以上の上階からの押さえ込み効果をいう。
本実験の結果では、終局耐力時(層間変形角1/30rad時)に長期軸力の4〜7倍程度の押さえ込み効果があることが確認できた(下表参照)。
しかし、梁の架かり方や柱の位置によって、柱の長期軸力は異なり、長期軸力が非常に大きい場合は、カウンターウェイトと長期軸力にほとんど差がない場合もあると思われる。
また、壁が土壁などの剛体的回転が生じないようなものの場合では、浮き上がりが少ないのでカウンターウェイトは小さく、長期軸力とほとんど差がなくなるものと思われる。
また、カウンターウェイトの大きさは梁単位で、その梁上部の壁、その梁にとりつく梁(2次梁)や床から伝わる押さえ込みを考える。梁の浮き上がりにより、それに連れ2次梁や床がどこまで浮き上がるかが、カウンターウェイトの大小に影響する。
本実験では、大きさの推定できないジャッキの押さえ込み効果や、ロードセルの接触不良など、柱頭の軸圧縮力による荷重値の信憑性が小さいと考えられるため(参考程度にした)、浮き上がりの計測値から、その範囲を推測し、カウンターウェイトを求めた。
また、今回の実験では引き載荷時については、柱ロードセル計測値が正しく計測されていなかったり、載荷部ジャッキ部抵抗の影響大きく受けていたりしていたことから、参考程度とし、押し載荷時の実験データを中心にカウンターウェイトの考察を行った。