地震力により層間変形が生じた場合、耐力壁の剛体的回転によって柱の浮き上がりが生じる。
そのときに上階の重量により、長期軸力だけではなく柱を押さえ込む力(=カウンターウェイト)が発生する。
現状では、「3階建て木造住宅の構造設計と防火設計の手引き」(日本住宅・木材技術センター)の中で、柱脚部の設計においてβ(=0.5、0.8)という係数で考慮されているのみである。
本実験では1層の木造軸組の水平載荷(変位制御で押し→引き→終了、最大変位(1/30(rad))時に2分間のhold)を行い、大変形時にどのくらいのカウンターウェイトが存在するか、浮き上がり範囲はどのくらいのものになるのかを考察する。
また、カウンターウェイトの、耐力壁の配置の違い、継手の影響、梁組や建物の形状による影響を考察する。
そして、建築基準法の性能規定化に向けて現在開発されている、性能明示型設計法プログラムに、このカウンターウェイトの要素を取り込むため、カウンターウェイトのモデル化を行うことを目的としている。