3.5.2 建物調査(b):混構造
- (1) 適用範囲
建物調査(b)は、1階が鉄筋コンクリート造または鉄骨造、その他が木造である混構造建築物に適用する。
- (2) 混構造用:Ai
混構造建築物の建物調査は、以下の層せん断力の分布係数Aiの算出を除き、3.4.1建物調査(a)による。
1階が鉄筋コンクリートで2階及び3階が木造である混構造建築物において、1階の地震力算定用重量{当該部分の固定荷重と積載荷重の和(建築基準法施行令第86条第2項ただし書きの規定によって特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えるものとする。)を言う。以下同じ}が、2階の地震力算定用重量の2倍を超える場合には、2階及び3階のA1は、1階部分の地震力算定用重量を2階の地震力算定用重量の2倍とみなして、3.4.1建物調査(a)と同様の方法により計算する。
3.5.3 建物調査(c):伝統構法
- (1) 適用範囲
建物調査(c)は、社寺建築や茅葺き民家などの伝統構法による木造建築物に適用する。
- (2) 建物重量:Wi
伝統構法による木造建築物の地震力算定用重量は、建築物の実状に応じて固定荷重及び積雪荷重(多雪区域では更に積雪荷重)を適切に算出して求める。
- (3) 地震層せん断力係数の分布係数:Ai
3.5.1建築物調査(a)の(3)による。
- (4) 各階の初期剛性及び基本限界エネルギー:St、Eu0
各階、各方向の初期剛性及び基本限界エネルギーは、それぞれ建物に配置された水平抵抗要素の各階、各方向の初期剛性及び基本限界エネルギーの和で表される。伝統構法による建築物における水平抵抗要素としては、建築物調査(a)に示す方法以外に、厚い土塗壁、垂れ壁付き独立柱、寺院本堂等の柱のロッキング抵抗などを考慮する。
- (5) 形状係数:Fes
伝統構法による木造建築物の形状係数 Fes は、原則として3.5.1建築物調査(a)に示す方法による。
3.6 劣化度の調査
劣化度係数( Rd )は、次の表の劣化の程度の欄に掲げる区分に応じて、係数の欄に掲げる数値とする。
劣化度係数 Rd