流れ下流部休憩所は、直角3角形の屋根を、日本の伝統構法をアレンジした格子梁が支えるシステムが特徴となっている。
この棟の構造的な特徴は日本古来の伝統構法を採用していることである。
この棟で採用している格子組や面格子は、木構造建築研究所 田原が提案し、平成8年度の(財)日本住宅・木材技術センター耐震補強実験として採用され実験し、そのデータを1997年の日本建築学会大会において発表し安全性能を検証しているものである。
この格子組の特徴は木と木がめり込むことにより非常に粘り強い耐力を発揮することである。
桁行方向の梁は面格子による合成梁として軽快に格子梁を支えている。
これらの相欠きや格子組の特徴は、木と木がめり込むことにより非常に粘り強い耐力を発揮することである。
また、この棟では金属を極力用いないで構成していて、最低限のボルトやビスしか使用していないことが特徴である。
すべての棟において非常に複雑な架構であるが、まだ21世紀の初頭であれば大工技術の低下はあるが、この様な仕事さえあれば技術を持った職人がまだまだ存在するのである。
21世紀に、日本の木造文化を残したいのであれば、優秀な木構造技術者を計画時点で参入させ、大工技術の発展を促すような公共の木造建築をしなければ、集成材等の構造技術により、安易に木造公共施設が造られていく可能性があり、この山田池公園の施設はその意味で非常に意義のある施設だと思われる。