木構造建築研究所 田原

地盤の問題による被害

仙台市太白区緑が丘4丁目のある北側斜面において、宅地造成部分が被害を受け地盤がずれ、土留め部分の石積み擁壁やRC擁壁が破壊された。

写真の通り、宅地内だけの対策をしたところで斜面地の地域全体が地すべりを起こすと、個々の宅地補強では対応することは難しい。

上記のようなふるい石積みではなく比較的新しいRCL型擁壁の被害だが、写真の通り、擁壁の高さが違うので、その擁壁の大きさおよび応力が違うため、タイプを変えているところのEXP.Jのところで縁が切れているためこのようにずれが生じた。

このようなことは本来ならば基礎や壁も高さが違うからといってそれぞれのタイプで評価しているため分割して個々の評価として見ているが、このような地すべりが発生した場合には、せめて壁だけでも一体化した方がよかったのかもしれない。(法規的に可能であれば)

一方、この丘の南側の3丁目は78年の『宮県沖地震』で地盤が地すべりし大きな被害を受けた経緯があり、地震後大規模な地すべり対策や造成部分の補強がなされ今回の地震ではほとんど無被害であった。

北側の斜面の地すべり被害に比べて、ほとんど被害は見受けられない。かなり高い石積み擁壁ではあるが、きちんと対策をしていれば被害は軽減されると思われる。