とんでもない温泉施設の実態
公正取引委員会全国調査から
読売新聞に、公正取引委員会が2003年3月から6月にかけて行った、全国温泉施設の調査結果(温泉表示に関する実態調査報告書)が報道されました。
温泉通の方には、既に常識として承知されていたことですが、あらためてその実態のひどさに驚かされます。
別掲の通り、私が各施設の紹介から「温泉の効能」を意識して省略したのも、これを予測していたのが一番の理由です。(ホームページの「温泉の基礎知識」→「温泉の効能」でアクセスください。
以下、記事を原文のままご紹介いたします。
尚、この調査結果の詳細は、公正取引委員会のホームページで閲覧することができます。
(但し、2003年8月中旬にこれを見ましたが、いつまでこの報告書が掲載されているか不明です。)
温泉施設表示7割に問題あり
全国に約2万2千ある温泉施設などの約7割で、一度使った湯を殺菌・循環して再利用しているにもかかわらず、「源泉100%」「天然温泉100%」など実態とかけ離れた表示が急増していることが、公正取引員委員会の全国調査で分かった。”ニセ温泉”の表示を巡る公的な調査は初めて。
公取委は今後、特に悪質な宣伝をした温泉施設のほか、旅行会社にも景品表示法違反で排除命令を出す方針だ。
今年3月から6月にかけ、全国の温泉施設の表示の実態調査や関係者からの聞き取り調査などを実施。その結果、全国の温泉で使われている源泉の七割以上が、地下水をポンプでくみ上げており。自然に湧き出している温泉は、全体の三割程度に過ぎなかった。
全国の温泉は慢性的な湯量不足に陥っており、業界では、遠方の温泉からタンクローリーなどで湯を運び、それを殺菌、加熱して循環させる方式を約七割の施設が採用。「最近は湯量を補うために加水するケースもあり、源泉の湯をそのまま使うことはほとんどない」(公取委)状態が一般化しているという。
一方で、この数年、多くの施設が「源泉100%」「ほんものの温泉」などの宣伝文句として使い始め、中には、敷地内に置いた循環装置を庭木や緑色のシートで隠していたり、湯船からあふれた湯や石けん・シャンプーで汚れた湯をすべて循環させたりしている施設もあった。
循環装置内ではレジオネラ菌が繁殖しやすい。また湯の成分や効能は、塩素による殺菌や加熱により変化するとされているが、こうした点はほとんど表示されていなかった。