湯布院温泉・下ん湯 (大分県)
所在地 : 由布市湯布院町
温泉名 : 湯布院温泉
施設名 : 下ん湯 (したんゆ) (入浴日2005.4.4)
北東の背後に標高1、584mの由布岳が聳える湯布院町は、東西12km・南北8kmの盆地の真中に所在する。
町では一貫したコンセプトのもとに町づくりを展開し、のどかな山里に小粋な都会的感覚を融合させたことにより、温泉地としての知名度は全国屈指となった。様々な観光施設に加え、美術館や博物館、芸術的イベントが多いのも、湯布院の大きな魅力である。
「ゆふいん」はもともと布院の字が当てられていたが、昭和30年2月に同じ温泉地の湯平村と由院町が合併した際、湯平の「湯」を取って「湯布院町」となった。これによって「ゆふいん」というやさしい響きの地名が残り、吸収される湯平村の面子もたって、見事な大岡裁きとなった。しかしながら、現在でも、駅名・温泉名・盆地名などをいうときには「由布院」の字を用いている。
住 所 大分県由布市湯布院町川上岳本1585
電 話 0977−84−3111(由布市観光商工課)
交通機関 大分自動車道由布院ICから約7km
JR久大本線湯布院駅下車徒歩20分
施設(日帰り用) 特になし(無人)
宿 泊 不可
泉 質 単純温泉(70℃)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 10時〜22時
定休日 無休
入浴料金 200円(無人なので料金箱に投下)
入浴施設 内湯1(混浴) 湯船が2つあり1つは半露天風呂
浴室備品 シャンプーなど無し
観光スポット 由布院温泉街散策・金鱗湖・耶馬溪・九重高原・国東半島
お土産・食事 両方とも近くの温泉街に多数
近くの温泉 湯平温泉・塚原温泉・別府温泉郷・壁湯温泉・川底温泉・生竜温泉・宝泉寺温泉・九酔峡温泉・筌の口温泉など多数
由布院町HP
観光協会HP
http://www.town.yufuin.oita.jp/
http://www.yufuin.gr.jp/
雑記帳 推理小説家・内田康夫の作品はわれわれ夫婦の愛読書だ。九州旅行の出発前、同氏の作品「湯布院殺人事件」を再読。ここに登場した旅館・亀の井別荘敷地内の喫茶・天井座敷を訪れた。
この間にバブルが崩壊し、団体客・歓楽から個人・癒し中心の時代を迎えるとともに、由布院温泉のこれまでの取り組みが注目され、マスコミ・女性雑誌・旅行/温泉ガイドブックなどに大きく取り上げられることになって、人気がいっきにブレイクした。

毎年約400万人が訪れる大温泉地に成長したが、いまだに大型のリゾートホテルの建設は無く、反対に、きめ細かな家庭的なサービスを提供する多くても20室以下の小規模の人気温泉旅館(たとえば「おやど二本の葦束」「山荘無量塔」「玉の湯」「田乃倉」「ほてい屋」)を次々と輩出してきて、それがまた由布院のイメージアップに繋がる好循環を生み出している。

かんじんの温泉は、自噴・動力湧出を含めて40,000リットル/分と豊富なため、ほとんどの旅館・ホテルが完全掛け流し・一部掛け流しである。
2002年の日経温泉大賞の読者人気ランキングで第二位、、また「行ってみたい賞」が由布院温泉に与えられている。

全国に約3,000ヶ所の温泉地(宿泊施設のある温泉)があるが、「行ってみたい温泉地ベスト3」は秋田県・乳頭温泉郷、熊本県・黒川温泉そして大分県・湯布院温泉であることに異論は無いと思われる。何れも予約が取りにくいが、旅館・ホテルを中心に120ヶ所の宿泊施設がある湯布院温泉は、他の2ヶ所よりは容易だろう。

バブルの絶頂期、他の温泉地が団体客を受け入れるために大きな資本を投下して、旅館・ホテルの大型化を図っているのを横目で見ながら、由布院温泉は幾多の困難・反対の中で、大資本の進出を阻み、いかに「田舎」を保っていくかに腐心してきた。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
由布院温泉の岳本温泉すぐ近くにある金鱗湖は、湖底の一部から温泉と水が湧き出ている珍しい湖だ。周囲のスギ、ヤナギ、コナラなどの木々とともに由布岳の山容やカヤ葺屋根の民家を清らかな水面に映し出す風景は、一幅の絵を見ているようだ。
金鱗湖(きんりんこ)
下ん湯は茅葺の小さな湯小屋
宿泊した旅館(ほてい屋)から徒歩で10分ほど、洒落た温泉街(ここではこの言葉は似合わないが)の一角を通り過ぎて小道を進むと、木立の中に佇む有名旅館・亀の井別荘の前に到着した。
その前にある白壁の風情ある建物には雑貨の「鍵屋」と茶房「天井桟敷」が営業している。このうち、天井座敷は、愛読書である推理小説作家内田康夫氏の「湯布院殺人事件」に登場してくるので、現物を見られてとても嬉しかった。
湯船の一つは半露天風呂冬は雪見風呂が楽しめるのでは。
そこから数分歩くと、 湖と言うよりは池の金鱗湖の水面(みずも)が見えてくる。周囲に散策路が整備されていて、それに従って半周すると前方に鄙びた茅葺の小屋が見えてきた。これが下ん湯(混浴)だ。正面に回って見るとまるで埴輪の古代建築を模したような造形で、手前には昔ながらの洗い場があった。
木造の頑丈な扉越しに、入浴している男性客の声が聞いて、急に入りたくなったが、予定していなかったのでタオルを持参していなかった。悔やんでいたところ、洗い場にいた地元の人が「あそこの家で売ってるよ」と親切にも教えてくれた。
無人なので200円を箱に入れて扉を開けると、木造の湯小屋は意外に広く、2つの湯船があって、両方とも7〜8人が入れる大きさ。正面は完全な吹き抜けになっているので、奥の方は半露天になっていた。

脱衣場は独立しておらず、湯船の脇に木造の棚が設けられている。
湯は
透明な単純温泉、恐れていた高温でなく、先に入浴していた男性2人と温泉談義に花を咲かせながら、しばし風情ある入浴を楽しんだ。
休日などは見学するために扉がたびたび開けられるようで、男でもオチオチ入浴できないと聞いていたが、この日は平日のためか2〜3回だけだった。
湯布院温泉ほてい屋 湯布院温泉夢想園参照
天井座敷がある建物
豊後富士と呼ばれる由布岳
温泉街の一角の風景