早川町は山梨県の南西部にあり、日本で最も人口の少ない町である(2000人弱)。

北部・西部を南アルプス(赤石山脈)、東部を櫛形山系、南部を身延山地に囲まれた山間地域だ。
林野が96%を占め、平地はほとんどない。

町の中央を町名の由来である早川(富士川の支流)が南北に貫通している。
この川に沿って通じる県道37号線(南アルプス街道)が、町外へ通じる唯一の道となっている。

地図で見ると、国道52号線増穂からと夜叉人峠経由からの細い道がある。しかし、一方は冬季閉鎖で、しかも普通乗用車ではむずかしく、もう一方はタクシーなどしか通れないので、身延周辺から北上する37号線しかルートはない。
南アルプス街道を北に進み、幾つかの日帰り温泉施設を通り過ぎると、人気の西山温泉(慶雲館)に至る。

そこをさらに北上して間もなく、早川沿いの最奥に、路線バスの終点である奈良田の里があり、秘湯の趣深い奈良田温泉白根館に到着する。
この先は登山客か山岳ドライブを楽しむ車しか入らない。

奈良田の里温泉は、白根館から徒歩5分ほどの距離にあり、奈良田温泉と呼称しても良さそうだが、ガイドブックでは上記のとおりとなっている。、

奈良田温泉はあくまでも白根館だけのもので、また源泉も違うのが理由だろうか。
早川町の日帰り施設。

白根館
から急な坂道を登ること5分、森の中に、想像していたより大きな木造瓦葺の建物が見えてきた。
館内もすべて木造、古民家の土間風の廊下があり、地元物産などが置かれ、その雑然さがいかにも秘湯らしくてうれしい。


脱衣室は広いが、これ以上ない簡素なもの、扉がない脱衣棚が設置されている。
赤い字で「女帝の湯」と書かれた大きな看板が吊るされている。
奈良時代、女帝の孝謙天皇が、奈良田の湯で病を癒したという伝承が、この看板の由来だ。

風呂が素晴らしい。杉板の壁、贅沢にも厚い桧で縁取られた浴槽は2つに仕切られ、一方は私にピッタリの温めに設定されている。もちろん掛け流しだ。
全面に切られたガラス窓を通して森の緑が目にも鮮やかだ。

温泉は無色透明、僅かに硫黄臭があるナトリウム・塩化物・硫酸塩泉で飲泉も可能、体を包み込むようなまろやかな肌触りだ。


館内には、アルプス山岳写真館や著名な山岳写真家白籏史朗氏の記念館などがある。
また食事処もある。

住 所 山梨県南巨摩郡早川町奈良田486
電 話 0556−48−2552
アクセス 中央自動車道甲府南ICから国道139・300号線県道37号線で約80km
JR身延線身延駅から山交タウンコーチバス奈良田行きで1時間35分
施 設(日帰り) 食事処、売店、アルプス山岳写真館・白籏史朗記念館 
駐車は県道沿いの無料駐車場を利用し、そこの右手の急な坂道を徒歩5分
泉 質 ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 9時〜19時
定休日 水曜日
入浴料金 大人500円
入浴施設 内湯男女各1
浴室備品(日帰り) シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー
観光スポット 赤沢宿・白鳳渓谷・身延山久遠寺富士五湖・青木ヶ原樹海・白糸の滝・甲府
お土産・食事 館内で可
近くの温泉 西山温泉、 奈良田温泉、雨畑湖温泉(VILLA雨畑)光源の里温泉(ヘルシー美里下部温泉、富士河口湖温泉郷
早川町HP
商工会HP
http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/
http://www.shokokai-yamanashi.or.jp/~hayakawa/
雑記帳 思いがけないいい風呂に入れ、なんだか得をしたような気持ちになった。
白根館での入浴が主になろうが、時間があれば是非立ち寄られることをお薦めする。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。
所在地 : 南巨摩郡早川町 
奈良田の里温泉・南アルプス邑奈良田の里 (山梨県)
温泉名 : 奈良田の里温泉
施設名 : 南アルプス邑奈良田の里 (入浴日:2006.5.7)
奈良田温泉白根館に宿泊した際、すぐ近くの町営の温泉施設に立ち寄った。 思いがけず、秘湯の趣タップリの源泉掛け流し風呂だった。