8畳の和室にこんな巨大な梁
我が家に無い最新のTV
寝室用に使った別の8畳
本館12番の広縁
今回は、1ヶ月以上前に予約を入れたが、平日の宿泊にもかかわらず「唯一、本館の部屋が空いている、しかし、ここは風呂に行く人が通るので騒がしいですが・・・」と言われた。
しかし、男3人の旅だ、すぐさまそれで承諾し予約が出来た。

部屋は本館の12番、8畳が2室に広縁と洗面所でトイレは共同。
内庭に面し、右手に苔むした湯屋、前方に別館、左手に法師川を跨ぐ渡り廊下が見えてなかなかの風情だ。
宿が心配してくれていた廊下を歩く音や声は全く気にならなかった(個人差があるでしょうが)。

料金は3人1室1人16,950円(税込み16,800円+入浴税150円)で、長寿館では最低料金。
しかし、2室あるので就寝と夕食の部屋が分かれ、風呂・売店・フロントがすぐそば、その上広縁に風情があり、窓からの眺めも良くて(上の写真)、秋や雪のときの景色はさぞかし素晴らしいだろう。
トイレが部屋になくてもいい、少しくらいの音は気にしない方にはお薦めできる部屋だ。

住 所 群馬県利根郡みなかみ町法師温泉    (旧)群馬県利根郡新治村法師温泉
電 話 0278−66−0005
交通機関 関越自動車道月夜野ICから国道17号線等で約27km(約40分)
上越新幹線上毛高原駅から関越交通バスで猿ヶ京温泉、村営バスで法師温泉(終点)、合計で約1時間15分
施 設(日帰り) ロビー・売店、駐車場(約30台)
宿 泊 37室 ¥16,800〜¥29,400円(各種条件で変動するので予約の際は宿のHPを必ず参照ください)
泉 質 カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間(日帰り) 10時30分〜13時30分(日帰り) 営業していれば予約不要だが、不定休なので念のために当日電話で確認した方が良い。
定休日 不定休
入浴料金 大人1000円
入浴施設 内湯3(混浴1、但し2時間女性専用タイム)、男女交代1、女性専用1、露天風呂男女交代1
浴室備品 シャンプー・ボデイソープ(但し法師乃湯にはカラン・シャワー無し)、、ドライヤー
観光スポット たくみの里、フルーツ公園桃李館、与謝野晶子紀行文学館、スキー、ハイキング
お土産・食事 土産は長寿館又は猿ヶ京温泉
食事・軽食・喫茶は「たくみの里」又は猿ヶ京温泉
近くの温泉 湯宿温泉、赤岩温泉、猿ヶ京温泉、奥平温泉、川古温泉
日帰入浴施設は猿ヶ京温泉に2ヶ所
まんてん星の湯、猿ヶ京温泉センター)
奥平温泉に1ヵ所(遊神館)
みなかみ町HP
観光協会HP
長寿館HP
http://www.town.minakami.gunma.jp/
http://www3.wind.ne.jp/n_kankoukyoukai/
http://www.houshi-onsen.jp/index.htm
雑記帳 家内からの苦情
女性のほとんどは混浴を嫌う。そんな女性は一番入りたい法師乃湯に午後8時から10時の時間帯しか入れない。露天風呂付きの玉城の湯の早朝の朝風呂は男性専用になっていて女性は入れない。これで男女同一料金はおかしい。時間帯を改善するか、女性の料金を安くしてください!
町域には、水上・法師・谷川・湯檜曽・向山・宝川・上の原・湯の小屋・上牧・猿ヶ京など大小の温泉群がある。

法師温泉は新潟県との県境、国道17号線沿いに点在する猿ヶ京温泉郷の最深部、三国峠の山麓にある秘湯である。
一軒宿の長寿館は、関東圏の温泉旅館の中で、年間を通じて最も予約が取り難い宿である。

長寿館が全国的に知られるようになったのは、熟年夫婦をターゲットにした旧国鉄の割引切符「フルムーン」の宣伝ポスターの写真が、ここの法師乃湯で撮影され、全国の駅舎に貼られたときからである。

バブル崩壊後の団体旅行の激減、反面、リッチな高齢者・若者・女性などの個人・グループによる温泉ブーム、循環湯でない掛け流し温泉への注目度アップ等によって、日本の温泉文化を伝える癒し系や秘境の温泉地・旅館に人気が集まっている。
ここはその指向を最大に満足させる旅館であり、テレビ・新聞・雑誌で取り上げられる回数も半端ではない。
本館と別館を繋ぐのは、法師川を跨ぐ渡り廊下。(1回目宿泊の際に撮影)
玄関を入ると土間があって、黒光りした太い柱と梁がむき出しになった天井の下に座敷がある。
座敷の中央には、大きな切り株を加工した火鉢がどかんと置かれおり、上部には神棚が祀られている。
別の座敷の間には、湯気を立てている鉄瓶が吊るされた囲炉裏が切られていて、江戸時代の庄屋や陣屋はこんな風情だったのだろうかと想像させる。
こんな風景は演出として他の宿でも見かけるが、ここは100年の時が現代にタイムスリップしたように自然に見える。

上記の通り客室数は37室、何れも木造の本館・別館・薫山荘・法隆殿に分散している。これらをつなぐ木造の渡り廊下も時代を感じさせる。
最初の宿泊の時は別館の部屋で、2畳の踏み込みに8畳の和室、窓側の板の間、それにトイレがあった。
法師温泉 長寿館 (群馬県)
所在地 : 利根郡みなかみ町
温泉名 : 法師温泉
施設名 : 長寿館 (1回目宿泊:2003.3.20 2回目宿泊:2009.10.19)
群馬県の北部に位置するみなかみ町は、2005年に3つの町村(利根郡月夜野町・水上町・新治村)が合併し誕生した町で、群馬県でもっとも広い町域を持つ。

「利根川源流の町」と謳っているとおり、首都圏3000万人の生活を支え、日本一の流域面積を持つ「坂東太郎・利根川」の上流部が町の中央を流れ沼田盆地に下っていく。

冬の気候は厳しく、町域は関東地方で唯一、日本海側気候に分類されている。

また町は山岳人のメッカ、「一の倉沢・マチガ沢」に代表される谷川岳の登山口がある。

谷川岳(最高標高1977m)は群馬・新潟の県境にある三国山脈の山であり日本百名山の一つである。
標高は2000mにも満たないが、急峻な岩壁と複雑な地形に加えて天候の変化も激しく、遭難者の数は群を抜いて多い。1931年から2007年までに781名の死者が出ている。
因みにこの数字は、日本のみならず世界のワースト記録である。(エベレストのそれは178人)

予約の取り難さでは日本有数の人気の宿・法師温泉長寿館。6年半ぶりの宿泊、1ヶ月半前に予約を入れたが、平日にかかわらず空いている部屋は1室のみだった。
町域にある宝川温泉汪泉閣(写真はHPから借用) 
法師温泉長寿館に展示されている「フルムーン」のポスター。往年の大スター、上原謙と高峰三枝子がモデルとなったこのポスターは大変話題となった。
温泉巡りを始めて間もない2003年3月、三国峠周辺はまだ降雪の時期、宿のアドバイスもあって車でなく東京駅から列車・バスを乗り継いで長寿館にやって来た。
しかも新幹線でなく旅情を味わうため上越線を選択、上野駅から後閑駅、そこからバスを2本乗り継いで宿に到着した。
国道17号線から外れてすれ違いが難しい県道に入ると雪が両脇に積もり、折からの灰色の空から雪が降り出した。

数少ない列車の冬旅、その上、贅沢にも法師温泉で雪見の露天風呂も楽しめた。
唯一悔やまれるたのは、当時は写真撮影に拘らなかったので、この雪景色の写真がほとんど無く、また有名な法師乃湯の写真が皆無だったこと。

それから6年半、温泉仲間とともに前回の北海道に続き、上州・信州6泊7日の旅を敢行、ルート・温泉・宿を一任されたので、2泊目にここ法師温泉を組み入れた。
法師温泉長寿館の玄関。赤いポスト・日本秘湯を守る会の提灯と木造の引き戸。
法師温泉は上信越国立公園特別保護地域内、三国連山の沢を源とする法師川の最上流の谷底、、三方を急峻な山で囲まれたどん詰まりのわずかな平地(標高800m)に一軒宿の長寿館がある。

長寿館は日本秘湯を守る会の宿だが、一番近い民家まで1キロもあり文字通りの秘湯である。

宿は登録有形文化財である明治8年創業時の本館と昭和15年築の別館の他に、昭和後半の薫山荘と法隆殿の4館から成る。

部屋数は全部で37室(T28、BT無し9)、料金は、2010年2月現在で¥16,800〜¥29,400円の料金帯になっている。
しかし各種条件で変動するので、予約の際は必ず長寿館のHP(下記)を参照、又は電話で問い合わせください。
外観風景
深山幽谷を流れる法師川を挟んで左手に別館
苔むす湯屋
薫山荘(最も料金が高い)
宿泊した本館12番から見た別館(本館の次に安い)と湯屋
駐車場から見た左・本館(最も安い)、右・法隆殿(2番目に高い)
明治8年(1875年)に建てられた長寿館本館玄関の軒下には、風雨に晒された「御入浴客御指定」と辛うじて読める看板が架かっている。明治維新からたった8年、まだ江戸時代の雰囲気が漂っている。

その手前には、日本秘湯を守る会のシンボルマークの提灯が下げられている。この提灯が似合う宿としては、会員旅館中ここが1,2を争うだろう。

本館から空中に浮かぶ渡り廊下で繋がる4ヶ所の建物はすべて黒ずんだ木造2階建てで、原生林が生い茂る深山幽谷にぴったりの風情を醸し出している。
館内風景
玄関奥の座敷
神棚が祀られた座敷上部
磨きこまれた玄関
泊まった本館12番前の廊下、左が売店、正面がフロント
談話室
別館への渡り廊下は法師川を跨ぐ
ロビーの一角、囲炉裏が切られた部屋
食 事
1室3人だったが、夕食・朝食とも部屋食だった。どうやら4人以上になると広間での食事になるようだ。
前回と同じように、いかにも秘湯の宿らしく山川の食材を使った素朴な、しかし滋味に富んだ夕食だった。
ご覧のように海の幸は一品も無かった。
こんな場所で刺身は食べたくないので嬉しかった。
(料理の写真は順不同)
朝食は膳からはみ出るように、食器がぎっしり乗せられて。
定番の品だが、サラダが多めで嬉しかった。
風 呂
風呂は法師乃湯(原則混浴・・女性タイム有り)の他に、近年造られた露天風呂を持つ玉城乃湯(男女交代制)、それに女性専用の内風呂・長寿乃湯がある。

長寿館では
何はさて置いても法師乃湯だ。

100年以上の歴史を持ち、明治28年に建てられた湯屋は、鹿鳴館風のアーチ型の窓を持った、当時では異色の木造建築だ。
壁も床も浴槽もすべて木造、無機質なものは窓のガラスしかない。

上部に張り巡らされた長大な梁が広い浴室を支えている。
前方と左右の窓から光が入ってくるが、照明が抑えられているため、浴室内は日中でも薄暗い。

浴槽は4分割され、さらに丸太が横に渡されて、全部で8つの浴槽があるように見える。
温泉の温度は微妙に異なるが、全体的に温めで、丸太に頭を乗せて長時間浸かっていられる。
有名な法師乃湯は明治28年(1895年)の建築、1世紀以上の歴史を持つ。画面左奥の棚は、もともと脱衣場・浴室一体型の名残。
この風呂を有名にしているのは、この湯屋建築に加えて、温泉が足下から湧出し湯玉となって舞い上がってくる、いわゆる足下湧出風呂であることだ。

もともと温泉湧出地の上に建設されたので、今でも敷き詰められた大き目の玉砂利の間から透明で柔らかなカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉が湧出してくるわけだ。

湧出する場所を探して、湯船を移動して行くのも楽しみの一つだ。

しっとりした木造の浴室が入浴者を包み込む雰囲気、アーチ型の窓でモダンさを感じさせながら寺院のような厳粛さ、窓から射す木漏れ日の薄暗い室内とやさしい肌触りのぬるい温泉。

ここで入浴する人は、複数でやってきてもみな黙って目を閉じ、まるで瞑想するようにして湯に浸かっているのがよく理解できる。
向って右側、シンメトリーの設計なので右側と同じ風景になる。宿泊者全員が一度に浸かっても大丈夫な広さだ。
画面右奥は女性用脱衣場・出入口で、男性は(向って)左側にある。カランやシャワーは無い。
一緒に旅したARさんとAKさん。左側の方は不思議な縁で、3日間連続で、我々と同じ宿(長寿館・満山荘)または同じ温泉(草津)に泊まられた方。
法師乃湯入口。右男性・左女性。女性専用タイムは午後8時〜10時。
● 法師乃湯
● 玉城乃湯
玉城乃湯は、平成12年、ちょうど西暦2000年に建設された新しい浴室だ。(こちらは加温・循環)

横にある窓の形や、木材をふんだんに使用している点は法師乃湯に共通しているが、正面の窓を大きく取り、光線がふんだんに入ってきて明るいのが大きく違う。
また、この内湯からは巨岩を積み上げた露天風呂に繋がっており、秋や雪のときの入浴が素晴らしい。
(前回のときは雪見の露天風呂ー写真無し 嗚呼)
ここは、脱衣場から浴室に至るまで真新しく清潔だが、便利さは故意に捨てており、シャワーやカランが無い。

その代わりに写真のように手押しの木造のレバーを引くと(押すとだったかもしれない)、一定量の湯が出る仕掛けになっていて、これを桶にためて体にかける。
利便性を求める人には不満が残るかもしれない。

女性専用の長寿乃湯(掛け流しの条件がベストの風呂)には、おそらくシャワーが付いているだろう。
広い窓と分厚い木材の湯船、明るくて品格のある浴室だが、夜は最低限の照明で雰囲気がぜんぜん異なる。(男性は午後8時〜翌朝7時まで)
巨岩を組んだ露天風呂。
右のハンドルを引くと一定量の湯が出る。
データ (データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。)
改訂版(2010年3月29日)
一部
日帰り入浴の受付は10時30分〜13時30分まで(入浴は14時まで)。
料金は大人1000円。

年末年始は立寄り入浴・昼食休憩は受け付けていない。
休館日、お風呂の大掃除の日、その他立寄りのご利用が出来ない日が多くあるので電話で確認しておいた方がよい。

また、混雑状況により時間内でも受付が終了することがあり、特に日曜日、連休等は午前中で終了ということもあるので要注意。