男女交代制の内湯「千寿の湯」。近年、以前の形を継承しながら改修されたようだ。滑り止めを兼ねるであろう細い丸みを帯びた板が敷き詰められた床がとても美しい。同様な床は万座温泉日進舘で見た。3つの浴槽の温度は2℃刻み、40℃、42℃、44℃位に感じられた。浴室の窓を開けると源泉が目の前に見える。
日帰り入浴は平日が10時〜15時、土日・祭日は10時〜14時、入浴料金は大人800円、小人(4歳〜小学生)400円。
男女交代制の風呂については、ホテルのHPに男女時間帯が記載されているので、これを事前に見て訪れると良いだろう。
2012年2月6日現在
施設名 : 野地温泉ホテル (入浴日:2004.10.7)(宿泊日:2011.8.29)
福島市は東京からおよそ260km、西側の奥羽山脈と東側の阿武隈高地に挟まれた福島盆地の南西部分とその周辺の山岳・丘陵地帯が市域である。
市内からは西に吾妻連峰を、南西に安達太良山を仰ぐ。
古来から交通の要衝だったが、現在でも東北道の他、国道4号線から分岐する国道13号線の起点であり、鉄道では東北新幹線と山形新幹線の分岐となっている。
市域最大の観光スポットは、磐梯朝日国立公園に属する土湯峠から平均標高1,350m、最高標高1,622mを走り高湯温泉に至る29km、吾妻連峰を縫うように走る磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)である。
途中、噴煙が舞いあがる一切経山(1949m)と吾妻小富士(1,707m)の間に開けた浄土平では、荒々しい山塊を間じかに見ることが出来る。
吾妻連峰の麓を走る14kmの道はフルーツラインの愛称がつけられ、季節になると桃・サクランボウ・梨・リンゴ・ブドウなどの果物狩りが出来る直販所が店を開く。
風呂名称 | 風呂種類 | 区 分 |
剣の湯 | 内湯 | 男性専用 |
扇の湯 | 内湯 | 女性専用 |
千寿の湯 | 内湯 | 男女交代 |
天狗の湯 | 内湯+露天風呂 | 男女交代 |
羽衣の湯 | 露天風呂 | 女性専用 |
鬼面の湯 | 露天風呂 | 男女交代 |
住 所 | 福島県福島市土湯温泉町野地1番地 |
電 話 | 0242−64−3031 |
交通機関 | 東北自動車道福島西ICから国道115号線・県道30号線で約25km(約40分) 磐越自動車道猪苗代磐梯高原ICから国道115号線で約40分 東北新幹線福島駅へマイクロバス出迎え13:30 福島駅へ送り ホテル発10時30分 |
施 設(日帰り) | 湯上がり処、ロビー休憩、駐車場(100台) |
宿 泊 | 61室(BT23 T38 Tはシャワー付き) 1人10,650円〜21,150円(税込み) 詳細・最新情報はホテルHP参照ください。 |
泉 質 | 単純硫黄泉(50.4℃、318リットル/分、無色澄明→白濁、硫化水素臭pH6.2.黄白色沈殿物) |
適応症 | 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
外来入浴時間(日帰り) | 平日:10時〜15時 土日祭日:10時〜14時 |
定休日 | 無休 |
入浴料金 | 大人800円 小人400円(4歳〜小学生) |
入浴施設 | 内湯:男女各1 男女交代1、 露天風呂:女1 男女交代1、内湯+露天風呂:男女交代1 |
浴室備品 | シャンプー、ボデイソープ、ロッカー、ドライヤー |
観光スポット | 土湯峠湿原、幕滝、磐梯山、猪苗代湖、桧原湖、五色沼、秋元湖、磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、吾妻高原、喜多方 |
お土産・食事 | 昼食つき入浴プランあり(要予約) 土産として季節に応じての桃、梨、サクランボ、ブドウなど(福島市北西部のフルーツライン、ピーチライン等で購入) |
近くの温泉 | 土湯温泉、新野地温泉、幕川温泉、鷲倉温泉、赤湯温泉 |
福島市HP 野地温泉ホテルHP 観光協会HP |
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/ http://www.nojionsen.com/ http://www.f-kankou.jp/ |
雑記帳 | 土湯温泉郷及びその周辺の日本秘湯守る会会員旅館 高湯温泉:旅館ひげの家、吾妻屋 新野地温泉:相模屋 鷲倉温泉:鷲倉温泉(温泉名に同じ) 幕川温泉:吉倉屋、水戸屋 赤湯温泉:好山荘 奥土湯・川上温泉:川上温泉(温泉名に同じ) |
男女交代制の風呂にはこんな時間表示がある。
湯上がり処
じゃらん口コミ総合 4.0 (宿泊者19人平均)
ホテルでは「おもしろ露天風呂」と謳っているが、内湯から入浴したまま露天風呂へ行ける天狗の湯。同じような設計の風呂は渡瀬温泉(和歌山県)で見かけた。特に冬は寒さに震えながら、露天風呂にかけ込むようなことはしなくていいので有り難い。
昼間とまるで違う雰囲気になるライトアップされた「千寿の湯」は、幻想的な美しさだった。私としては珍しく、1人で独占するこの風呂から去りがたく、一番温い浴槽で長湯をしてしまった。
pHが6.2とほぼ中性のため肌を刺激する感じは全くなく、白濁のイメージからかとても軟らかく感じられた。
千寿の湯(男女交代)
男性専用の「剣の湯」。惜しみなく湯が溢れている。ここの濁りが最も薄く、一番新鮮に思えた。
後出しの鮎の塩焼き
朝食も簡素、でも私たちにはこの位が丁度良い。
磐梯吾妻スカイラインの景勝の一つ「霜降(しもふり)」。これを福島市方面(写真右手)に進むと高湯温泉に至る。
好山荘への最後のアプローチの悪路でバースト。翌日、タイヤを購入、30500円の立寄り湯となった。
機会があったのに逃していた赤湯温泉好山荘にようやく立寄れた。幕川温泉と同じく、ここも日本秘湯を守る会の宿だ。
同じ土湯峠温泉郷の「幕川温泉水戸屋」に8年ぶりに入浴。巨大檜をくり抜いた露天風呂は健在だった。
東京9時出発。珍しく出発前に調べておいた福島市内の「喜多八」で十割蕎麦の天せいろを(1470円)食べた。
東北自動車道、福島西ICを下りて国道115線で12kmほど西に進むと「土湯温泉」に到着する。
ここから土湯峠に向って県道30号線に乗りかえ、鬼面山の山腹を縫うようにして標高1,240mの土湯峠に向う。
峠の周辺には温泉マニアにはこたえられない湯量豊富な数多くの秘湯が点在している。野地・新野地・鷲倉・赤湯・幕川温泉などで、これらを括って土湯峠温泉郷と言う。
一番最初に現われてくるのが、標高1,200mにある野地温泉だ。
三角錐の鬼面山を背景に、2003年4月にリニューアルした鉄筋3階建の本館などの建物が鶴翼に広がり、堂々たる威容を誇っている。
旧国道115号線の県道30号線に面しているのでアクセスがし易く、積雪の多い冬季も営業している。
土湯温泉郷の宿は野地温泉を除いてすべて「日本秘湯を守る会」に加盟しているが、ここだけは会員ではない。
この立派な建物では「秘湯」にそぐわないからだろうか。
食 事
剣の湯(男性内湯)
2011年3月11日の東日本大震災によって、地震・津波・放射能汚染の3重苦の被害を受けた東北地方。
とくに風評で大きな被害を受けている福島県に心ばかりの応援をしようと思って、予約を入れたのは、以前に立寄った土湯峠温泉郷の野地温泉・野地温泉ホテルだった。
今回分かったのは、野地温泉ホテルの風呂の全貌を知るには泊まらないとダメということ、そしてじゃらんの口コミ評価で、風呂に関しては、ほぼ全員が満点を付けていることが納得できた。
透明度はこの位、かなりの深さまで見える。
野趣たっぷりの脱衣場。
丸太の湯屋への通路。
鬼面の湯(男女交代)
天狗の湯(男女交代)
千寿の湯から見える源泉。
風 呂
風呂は文句なく素晴らしい。
既述の通り、じゃらん経由で予約・宿泊した人のみが書きこめる口コミで、風呂の評価が4.9点と満点に近い。
風呂は女性優位、すべてかけ流しの風呂が6ヶ所(下表)、宿泊すれば男性は4ケ所、女性は男性専用内湯を除いて5ヶ所で入浴出来る。
どの風呂もカラスの行水をするのは勿体ない素晴らしさなので、よほど計画的に回らないと完全制覇は難しい。
幸い交代制の風呂は、他の旅館では経験したことのない、3時間おきに男女が変わるので(深夜も)、一度入浴機会を逃しても入浴することが出来る。
温泉は一本か複数の源泉を持っているのか定かではないが、表示は、泉質がpH6.2の単純硫黄泉、硫化水素臭、湧出時は無色澄明となっており、経時とともに白濁する。
食事は夕食・朝食とも広間か食堂のどちらかになるが、いつものように楽なテーブル席を予約時に頼んでおいた。
夕食の料理は多くが予め並び、上の写真以外では、鮎の塩焼きと茶碗蒸しが後で出た。
凝った料理は無く、豚しゃぶがメインから分かるように、宿泊料金範囲内のいたってシンプルな料理で、朝食も同様だった。
ロビーから浴室に向かうと一転して和の雰囲気。
部屋からの風景(天候が良いと福島市の夜景が見事)
広い12.5畳+広縁の312号室(12,750円)。
重厚なヨーロッパ調の家具が並ぶロビー。
部屋 | 3.4 | 風呂 | 4.9 |
朝食 | 3.5 | 夕食 | 3.7 |
接客・サービス | 3.7 | 清潔感 | 4.0 |
鶴翼に広がる一軒宿の野地温泉ホテル。
フルーツラインの外れにあるJA直販所で、親戚知人の協賛を得て、大量に買い込んだり発送した。
通称、黄金桃、これで風評被害があって1500円は本当に可哀相だ。
安達太良連峰の最北に位置する鬼面山(1482m)へは、野地温泉から徒歩1時間ほどの距離にある。この山に因む鬼面の湯は、20人位が一度に入れるかなり多きなもの。平らな天然石を敷き詰め、浴槽を跨がないで入浴出来る風呂の造りは、他にあまり例を見ない独特なものだ。ここも夜間はライトアップされ、神秘的な景観を呈する。