カンジキがかけられていた
奢ってしまった豪華な部屋
立派な温泉棟
畳敷き・炬燵がある帳場
住 所 青森県十和田市奥瀬蔦野湯1
(旧住所)青森県上北郡十和田湖町奥瀬字蔦野湯1
電 話 0176−74−2311
交通機関 東北自動車道黒石ICから国道394号線・国道103号線で約40km
JR東北新幹線八戸駅から十和田湖行きJRバスで十和田湖温泉郷下車(1時間20分)、JRバス青森行きバスで蔦温泉下車(15分)
施設(日帰り用) レストラン、休憩所、売店、駐車場90 
宿 泊 52室 9,600円(税別サ込み)〜23,250円(詳しくは下記の蔦温泉HP参照)
泉 質 ナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉 (低張性、中性、高温泉) 泉温47.2℃ Ph7 自然湧出
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 外来入浴は9時〜16時
定休日 年中無休
入浴料金 大人500円 
入浴施設 内湯(泉響の湯)男女各1 共用1(久安の湯 深夜12時〜8時は女性) 露天風呂無し
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ・ロッカー
観光スポット 十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田連峰山麓トレッキング(ロープウエイ有り)、八甲田・十和田ゴールドライン、蔦七沼、ねぶたの里、、三内丸山遺跡、棟方志効記念館、青森県近代文学館
お土産・食事 レストラン・土産物屋(別棟)有り
近くの温泉 酸ヶ湯温泉、猿倉温泉、八甲田温泉、奥入瀬渓流温泉、黒石温泉郷、古牧温泉など多数
十和田湖市HP
蔦温泉HP
http://www.net.pref.aomori.jp/city/towada/
http://www.thuta.co.jp/index_p.cgi
雑記帳 青森県では「酸ヶ湯温泉」「蔦温泉」のどちらに宿泊しようか最後まで迷った。
内湯としては全国最大規模の混浴風呂の酸ヶ湯温泉、足下からしっとりした湯が湧く蔦温泉。最後は家内のことを思って蔦温泉を選び、酸ヶ湯温泉は立ち寄り湯とした。
データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。(2008.4.30更新)
この日、前日宿泊した乳頭温泉郷鶴の湯を発ち、日本一の湯治場・玉川温泉に立ち寄った後、国道341・103号線を北上、展望の峠として東北一と言われる発荷峠から十和田湖を見下ろした。

その後、湖沿いを半周して、十和田湖から奥入瀬川が流れ出る「子ノ口」に到着した。ここから焼山までの14kmが、東北一の景勝「奥入瀬渓流」だ。
ブナの原生林を縫って走る渓流沿いには遊歩道が整備され、あるときは滝となり、激流となり、瀬となって流れる奥入瀬川の七変化が楽しめる。

私たちは渓流に沿って走る国道103号線をさらに進み、「銚子大滝」「九十九島」「阿修羅の流れ」などの名所に立ち寄った。
長年の夢であった奥入瀬渓流の景観を満喫し、その後、八甲田山をドライブ、いまも湯治場の雰囲気が色濃い谷地温泉(廃業)で入浴後、本日の宿泊地、蔦温泉に向った。
2005年1月、十和田市と旧上北郡十和田湖町が合併して新しい十和田市が誕生した。

十和田市は、日本百名山の八甲田山(連峰)の裾野に開け、東北有数の景勝地である奥入瀬渓流を町域に持つ。
西側に1,000mを超える奥羽山脈が縦走し、北西に日本100名山の八甲田山が聳えて、青森市との県境となっている。

さらに蔦温泉、谷地温泉、奥入瀬渓流温泉などの温泉群を有し、「山」「湖」「川」「温泉」と4拍子揃った観光の町だ。

町名となっている十和田湖は秋田県とも接し、海抜400mにあって、わが国第三位の水深(326m)を持つ二重カルデラ湖で、奥入瀬渓流とともに国の名勝・天然記念物に指定されている。
東北6県には数多くの名湯・秘湯が存在するが、他の地域と異なるのは、一湯一軒宿の名湯が非常に多いことだ。
青森県に限って言えば、その代表格として酸ヶ湯・蔦・不老ふ死温泉等が挙げられる。

十和田湖畔から奥入瀬渓流に沿って、ブナの木が生い茂る十和田樹海を縫う国道103号線を進み、渓流の終点・焼山を過ぎると間もなく、蔦温泉の案内板が見えてくる。

久安3年(1174年)には既に湯治小屋があったと文献に残る蔦温泉.だが、明治42年(1909年)、共同管理の湯治場から旅館へと形態を変え、数々の増改築を経て現在に至っている。

蔦は明治・大正時代、美文で知られた大町桂月が愛した温泉で、彼はここに本籍を移し、終の棲家とした。

湯量を省みず露天風呂を新設・増設する旅館が多い中、ここは館主の頑なな方針でこれを設けない。
自然湧出の湯を損ねることを意識してのことだ。

風呂は男女別の「泉響の湯」と男女共同(時間によって男女別となる)の「久安の湯」がある。

特に久安の湯が良い。
湯舟から天井・壁・床に至るまですべてブナ造り、久安3年(1147年)に発見された湧出場所に設けられ、透明で中性(Ph7)のまろやかな湯が浴槽の底から湯玉となって湧いてくる。
角がとれなんとも温かみのあるブナの湯舟に浸かると、これぞ日本の温泉としみじみと感じ入る。

本館の奥にある泉響の湯は、高さ12メートルもある高い天井が印象的、もちろんここも水一滴も加えない源泉風呂だ。
轟音を立てて流れ落ちる渓流最大の景勝・銚子大滝
白波逆巻く急流となって下る奥入瀬川
葉に陽が当たって透明な緑となって輝くブナの木と木漏れ日、なんとも美しい風景だった。
あるときは鏡のような川面となって流れる。
十和田湖のシンボル・乙女の像
蔦温泉から徒歩10分・蔦沼
7つの沼を巡る蔦七沼散策はお薦めだ。
唐破風の本館玄関
日本百名山・八甲田山の山麓は、ブナやアオモリトドマツ等の原生林が広がり、小さな湖沼があちこちに点在する。その南麓には日本の温泉文化を今に伝える日本百名湯の蔦温泉が湯煙を上げている。一軒宿の蔦温泉旅館は、日本秘湯を守る会の会員旅館でもある。
蔦温泉 蔦温泉旅館 (青森県)
再訪改訂版
奥入瀬渓流
蔦温泉再訪
約3年ぶりの2007年5月、第2回東北遠征の際にもう一度奥入瀬渓流沿いを走り、蔦温泉に入浴したかったので行程に組み込んだ。
前日宿泊した岩手県・大沢温泉山水閣からこの日に宿泊する青森県・嶽温泉山のホテルに向かう途中、東北自動車道小坂ICで下りて、前回取った国道103号線でなく樹海ラインに乗って十和田湖に向かった。
施設名 : 蔦温泉旅館  (宿泊日:2004.6.17 再入浴日 2007.5.10)
また奥入瀬渓流に来られた!
十和田湖畔の国道103号線、ブナの木が芽吹き始めていた。
発荷峠から十和田湖を望む。
高度を上げるとかなりの雪が残っていた。
樹海ラインの下の方では、東北の遅い桜がまだ花をつけていた。
所在地 : 十和田市(旧上北郡十和田湖町)
温泉名 : 蔦(つた)温泉
ブナやナラなどの自然林に囲まれた広い敷地、駐車場の先の池の池の向こうに、大正7年に建設され、唐破風の玄関を持つ木造2階建ての本館がある。

玄関右奥には、畳敷き、昔ながらの帳場があり、客はここでチェックインをする。

左手には一昔前の小学校の教室のような部屋があり、冬期、客に貸し出される多数の長靴・カンジキや、ストーブ、粗末なテーブルにパイプ椅子等が雑然と置かれている。
どうやら、ここがロビー兼休憩室兼談話室らしい。
赤じゅうたんに豪華なソファといった普通の旅館のロビーとは正反対の、なんとも素朴で懐かしい雰囲気の空間だ。

部屋は本館、新館、西館に分かれている。
本館の部屋は、トイレ無しの6畳と8畳、それに隣室と襖で仕切られた部屋もあり、大正7年築に相応しい風情を残していて、宿泊料金が最も安い。
因みに、本館玄関奥にあるトイレは、水洗便所年鑑に掲載されていて、昔は便器の下に小川が流れていて天然水洗便所だったそうだ。

別館は本館の奥の山側にあり、階段を60段ほど上って行かねばならない。足腰に支障がある我々には、はじめから対象外の棟だった。

泊まったのは、もっとも新しいコンクリート3階建ての西館。トイレ付が条件の家内のためにはここに泊まらざるをえなかったが、空いていた部屋が角部屋、10畳の和室にツインの洋室のみ。、料金は23,000円、これまでの最高宿泊料金となった。

尚、相互リンクしている「温泉たまこ」さんは、ここの本館新館に宿泊されていて、HPに詳しく紹介されているのでご覧下さい。

日本百名湯・蔦温泉旅館の2つの風呂は、源泉の真上に設けられ、湯底からやわらかな肌触りの極上の温泉が静かに湧き出てくる。
ブナ造りの久安の湯
泉響の湯の掛け湯
風呂の底、不揃いのブナ板の間から温泉が静かに湧きあがっている。
温泉で磨かれたブナの浴槽から、加水・加温なし、47℃のナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉が流れ出している。 
なんとも趣がある掛け湯。床一面が流れ出した湯で濡れている。
平成2年(1990年)改築されているが、そのように見えない風格を感じさせる。
●久安の湯
かっては旅館棟専用の混浴風呂だったので、湯舟は一つしかない。宿泊の場合、男女別の時間帯が設けられている。
梁まで12mもあるが途中に窓が無く、薄暗くて荘重な造りだ。
入口から木造の階段を5,6段下る。
●泉響の湯
井上靖が来館の際に、蔦の雰囲気を泉響颯颯(せんきょうさつさつ)」と詠んだことから名付けられたそうだ。
浴槽から梁までの高さが12mもあるが、窓が無いので開放感はない。もともとは湯治棟専用の大きな混浴風呂だったが、平成8年(1996年)に改築されて男女別となった。

日帰り入浴は午前9時〜午後4時(宿泊客が多い場合などは早めに終了することもある)までで、入浴料金は大人500円。

風呂が1つしかない泉響の湯は、宿泊客は時間帯で男女別になるが、日帰りの場合、どうなっているかは定かではない。
私が立ち寄ったときは、先客が誰もおらず、男女別を確認せぬまま入浴してしまった。

尚、食事処があり、カレー840円から定食3,150円までいろいろなチョイスが出来る。
お断り:蔦温泉宿泊当時は、料理の写真やメモを取っておらず、夕食・朝食の記事が無い。
宿泊料金の割りに夕食が今一つだった、という記憶はないので、そこそこではあったと思う。