まだまだ、思い出すことがある。
泊まったホテルからの光景を見下ろす。
二つベッドがあるけれど、多分、一つは必要ないだろう。
窓が近く、別荘地からの照明が届くから、俺は、こっちのベッドがいいと思った。
ハウステンボスに入ってすぐ、特に目的もなく、なかをぶらついていた。
少しづつ、少しづつ、暮れて行く、人もまばらな、風景の色の中に朱色が混ざっていくような時間の中、
ふたりだけで、他愛ない会話を交しながら歩く、それだけでなんとなく心が弾んだ。
「手でも繋ぐか?」と言って少し後ろを歩いていたあいつをふりむくと、
「繋ぎてえんなら、繋いでやってもいいぜ」とバカにしたように言い返された。
思いがけない答えだったが、照れ臭くてどうしていいのかわからず、
結局、手は繋げないままで、並んで歩いた。
この国の風景にはそぐわない、大きな風車がある。
だが、ここではその風車が妙に馴染んでいた。
「海抜が低い町だと、こんな風に水をくみあげるわけだ」とあいつは興味津々で
中に入ってみていた。
きっと、頭の中には、いつか見つけるはずの奇跡の海の事が描かれているのだろう。
その周りには、たくさんの花が綺麗に咲いていた。
メシをくって、踊りを見て、それから回転木馬を見に行った。
誰も乗ってなかったし、周りにもだれもいない。
「俺、これに乗った事ねえんだ」と、暗い夜の町の中に唐突に設えたみたいな
その回転木馬を見て、あいつが静かにそう言った。
「乗ってみろよ」
結構、渋っていたが、乗ってみると、とても嬉しそうにはしゃいでいた。
(まだ続く・・・・)
これ、全部、私が撮った写真です。ボケボケブレブレですね・・・・
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★ 続く
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