体温第4話 「勝手な愛情」


「サンジ、体温を測ってやる。」ルフィは、サンジの汗で湿った
シャツのボタンをいくつか外した。

露になったサンジの滑らかな肌は、汗でしっとりと湿り、普段は殆どないと思っていた
仄かな体臭がルフィの鼻腔に流れこんできた。

血の匂いと、サンジの体臭がルフィの理性を更に追い詰めていく。

ルフィは、サンジのシャツを全て脱がせた。

胸がどうしようもなく高鳴っている。
まるで、全身が心臓になってしまったかと思うほどだ。

(・・・駄目だ。どうにかなりそうだ。)ルフィは、唇をかみ締めた。
さっきまで、サンジが眠っているのをいい事に、さんざんその唇で 己を昂ぶらせていたのに、いざ、その蒼い瞳が見開かれて 自分を見ていると思うと、
・ ・・・酷く、怖くて 動けない。

その臆病な感情を振り払うように、ルフィはサンジに笑いかけた。
「まだ、高いままだ。サンジの体温。」

上気したサンジの顔。
熱のせいで 水分を多く含んでいる瞳。

着替えをさせるために体の汗を拭う。
サンジは、よほど体が辛いのか、何気なくルフィの腕に体重をかけてくる。

その重さがルフィの心を動揺させた。

体を預けて来るように、寄りかかるサンジにルフィは、耐えられなくなった。
ここから逃げるか、それとも、戻れない道を突き進むか。



「サンジ、キスしていいか?」といつもと変らぬ口調で尋ねてみる。

サンジは、ルフィのその言葉をいつもの 無邪気な思いつきだと思った。
「仕方ねえなあ・・・」と苦笑し、ルフィの頭を引き寄せた。

今まで、ルフィの想いから目を逸らし、見ない振りをして逃げてきた 
臆病な狡さの代償をサンジは払わなければならない時が来た。


サンジの唇は、いつもは冷たかった。

だが、ルフィの唇に重なったそれは、今まで ふざけて触れてきたものとは違う。

まるで、ルフィの唇を溶かそうとするほどに熱かった。

サンジから寄せられた口付けに、ルフィは体が爆発するかと思った。


ここまでは、何時も許してくれる。


だが、ここから先は 決して許しては貰えなかった。

許しなど、もう要らない。

踏み越えよう。もう、どうなってもいい。例え、憎まれても、嫌われてもいい。
それでも、サンジが欲しい。

ルフィの心の中で、堰のように想いを止めていた理性が、優しさが 徐々に壊れていく。

ルフィは、いつまでも唇から離れず、舌を挿し入れた。

「んっ・・・・!」サンジは、それを拒んで口をきつく閉じ、ルフィの侵入を
許さなかった。

ルフィは、構うことなく サンジの歯列を舌でなぞった。

サンジは、重病人とは思えない力で ルフィを突き飛ばした。
その唐突な動きに、ルフィは無防備に体を離され、床に尻餅をついた。

「・・・・なんで、だよ!!」ルフィの口をついたのは、まず、サンジへの非難だった。

「舌を入れるなんて、10年早エ、クソゴム。」
サンジは、ここまでされても、まだ ルフィがふざけているだけだと思っていた。

突き飛ばしたのは、思いのほか ルフィの愛撫が上手くて 熱と鎮痛剤の所為で
感覚が曖昧になっている体が思わず 反応しかけてしまったからだ。

目が潤んではいるものの、真剣にルフィを叱咤する気がなさそうな サンジの
穏やかな口ぶりに、やはり 自分の気持ちになど、全く気がついていないことを
ルフィは 悟った。

気がつくどころか、興味もないのかもしれない。

「・・・・ッチエッ」小さく ルフィはサンジの言葉に子供地味た顔つきと
短い言葉で反抗した。

「・・・くだらねえことしねえで、さっさと着替えさせてくれよ。俺は眠いんだ。」
ぶっきらぼうにサンジはそう言って、ルフィの顔を見た。

ルフィの強い視線にいきなり絡めとられたように、サンジの体の動きが止まる。

「・・・ルフィ、どうした・・・?」

ルフィの頭の中は、いや、体の中は、火山から溶岩が流れているのと同じで、今まで耐えてきた想いがどろどろと流れだし、もう自分でも止め様がなかった。


訝しげな表情を浮かべたサンジの目と ルフィの燃える想いを浮かべた目が合った。

一瞬、サンジの瞳が怯え、揺らいだ。
その揺らぎは、サンジが やっと ルフィの気持ちに気がついた証しだった。

ルフィは、もう、躊躇しなかった。
今まで、ルフィの気持ちに気がついていなかったとは言え、中途半端な態度を
とっていたサンジに非があるように思えた。

溢れ出した感情は、淡い恋心から 黒い欲望へとその姿を変えた。

サンジの熱い体を、無理矢理押さえつけ、両手で小さな頭を挟みこみ、
唇を押し付けた。

もう、一切 迷わない。

力任せでも、無理矢理でも、サンジの体を征服してやる。
それでサンジの心が傷ついても、構わない。

ルフィは、どこからか沸き上って来るその どす黒く、醜い想いに
焦がされていく自分が哀しくかった。

そして、そんな想いを自分に背負わせた サンジへ 憤りをぶつけなければ
気が狂いそうだった。

サンジの抵抗は凄まじかった。
空いている手でルフィの頭を引き剥がそうと、髪の毛を鷲掴みにして、
力任せに引っ張る。

体を間断なく跳ねさせて、どうにかルフィを跳ね除けようとした。

ルフィは、片手でサンジの細い両手首を伸ばした指で拘束した。

「やめろ、てめえ!!なんのつもりだ!」サンジは、ルフィを睨みつけた。

ルフィは、サンジを見下ろした。目が据わっている。
そのただならぬ気配に サンジの顔色が変った。

「・・・前から言ってただろ。俺はサンジが好きだって。」
低い声で囁くルフィの言葉にサンジの眉が寄せられた。

そして、その口からは この仕打ちに報復するかのような
酷い言葉が吐かれた。

「てめえ、俺とヤりてえのか。」

冷めたその声に、ルフィは背中に冷水を浴びせられたような気がした。

サンジは、組み敷かれながらも、
「俺が誰とでもヤる男だと思ったわけだ、お前は。」と言い放った。

思い掛けない言葉の暴力に ルフィの思考回路が止まる。

そこには、まだ好きだからこそ サンジへの労わりや 優しく抱きたいという
思いやりがあった。

それが止まってしまった。
止めたのは、自覚がないとはいえ ルフィに残酷な仕打ちをし続けてきたサンジなのだ。


もう、サンジの罵詈雑言も、抵抗も 聞こえない、感じない。

ルフィは、首筋に跡がつくほど強く吸い付いた。
体中にいくつも、いくつも、その跡をつけた。

「大人しくしろ!!」
ルフィを振り解こうと足掻くサンジの腹部へ拳を撃ちこむ。

「ぐっ・・・・。」サンジは、息を詰まらせたが、気を失ったりはしない。

その痛みで一瞬動きを止めたが、諦めなかった。

男にレイプされるなど、真っ平ご免だ。
相手がルフィでも、嫌なものは嫌だ。

「体温」第5話暴走


ルフィは、力任せにサンジの体を反転させた。

背中には、棘の鞭でつけられた傷があり、白い包帯にはうっすらと血が滲んでいる。

ルフィは、その包帯を一気にほどいて、それでサンジの手首を縛った。

「何しやがる!!」掠れてほとんど出ない声を絞り出して、サンジはまだ
抵抗するのを止めない。

手首を後ろ手に縛られたサンジは、再びルフィに仰向けに寝転ろがされた。

ルフィは、サンジの体に馬乗りになった。

ルフィの方が息が荒い。
「・・・抵抗しないでくれよ、サンジ。俺、お前を傷つけたくないんだ。」

そういうと、サンジの下半身を隠していた着衣を剥いだ。

ルフィは、なんの変化も見せていない サンジ自身を乱暴に掴んで、
扱いた。

「んっ・・・・っ」サンジの体が硬直する。
サンジは、咄嗟に蹴ろうとした足首をルフィに捕まれ、大きく開いた足の間に
ルフィは体を割りこませて来た。

サンジの腹部にルフィは自ら露出させた 局部を押し付けた。
「ほら、俺のこんなになってるんだよ、サンジの所為だ。」

「・・・サンジも、気持ちいいんだろ?」
ルフィは、サンジを口に含んだ。

先端を舐め上げられ、同時に強く吸われて、サンジの下半身が細かく痙攣する。

「・・・バカやろ・・・・よせ・・・。」
小さく うわ言の様に叱咤しても、ルフィの動きは止まらない。

やがて、ルフィの口の端から溢れ出した唾液とサンジの先行した体液が交じり合い、
サンジの局部あたりで 湿った音を立て始めた。

「う・・・・んっ」
思わず漏れる声をサンジは、首を捻って顔をシーツに押し付けることで
消そうとした。

「駄目だよ。もっと声出してくれ。」ルフィは、サンジの顔を乱暴に
自分の方へ向けた。

「ほら。見ろよ。」ルフィは、サンジの顔の前に濡れた掌を翳した。

「サンジ、ちゃんと感じてんだよ。俺とでも、感じてる。」
「こんなに濡れてるじゃん。」

そういうと、その掌を ゾロしか受け入れた事ない深い場所へと
あてがった。

「・・・・やめろッぶっ殺すぞ。」サンジが思わず放った罵声に
ルフィは薄く笑った。

「・・・いいよ。サンジに殺されるなら殺されてやるよ。」

睦言だとわかっていても、その言葉でサンジの心はますます混乱する。

軟らかく 濡れた細い棒状の物が 一気にサンジを貫いた。

「いっっ!」逃げ様として逸らしたサンジの腰をルフィは強い力で
引き寄せた。

「ゾロには出来ねえだろ?もっと気持ちいい事してやる。」

サンジの中に入っていた棒が、急速に膨らんだ。
「アアアッ」
膨らみつつ、サンジの敏感な部分を圧迫する。
そして、回転し、前後し、不規則にサンジの中で蠢く。

押さえようとしても、上がる声は掠れて、泣き声のようだった。


ルフィは、まだ 動かない。

じっと、サンジを見下ろしている。
ルフィの汗がサンジの胸に落ちてきた。

後ろを犯されている快感に、サンジの前の部分がそれ自身震えるほどに膨張していた。

ルフィはそれの先端部分を指で擦る。
サンジの体が 心とは裏腹に、勝手に歓喜に震え出す。

ルフィの手に、とろとろと 薄いサンジの体液が排出されてくる。

体中を快感に震わせながら、顔をルフィから背け、歯を食いしばって まだ
ルフィとの行為を拒むサンジにルフィは、ますます 強く 辱めてやりたくなった。

壊れてしまえばいい、と思った。

自在に伸縮する指を挿入した場所は、軟らかくときほぐれつつある。

ルフィは、太く指を膨らましたまま、更に強くサンジを突き上げた。

縋り付く物が何もない苦しさの中で、サンジは無意識にゾロに助けを求めていた。
(苦しい・・・・。)
頭の中で勝手に浮かんだゾロの顔に意識を逸らそうとした。

だが、余りにも苦しくてそれも出来なかった。

濡れているはずなのに、快感だとは思えない。
ただ、ただ、苦痛を与えられているとしか 考えられない。
早く、ここから逃れたいとそればかりを思った。

これは、陵辱だ。
こんな事は、嫌だ。

生理的なものなのか、心理的な物なのか サンジの眼からは涙が零れ落ちた。

両手首を縛られている所為で、それを拭う事も出来ない。

間断なく 押し付けられる快感の塊がサンジの身体を駆け巡り、徐々に
感情が消えていく。

ルフィは、膨らましたままの指を勢い良く引き抜いた。

「ああっあっああっ」その瞬間、サンジは体を激しく痙攣させ、精を吐き出した。

と同時に、さっきの指とは全く違う、熱い塊がサンジの体を貫いた。

声が掠れきり、小さく喉がなっただけだった。

ルフィは、サンジを抱き起こし、胡座をかいた膝の上に座らせ、下から
大きく膨れ上がって、熱く脈打つ杭を突き上げた。
(すげえ、熱い)

高熱を出しているせいで、サンジのそこはルフィの杭を熱く蕩けそうなほどに
絡めとっている。

腰を支えられても、サンジは自分の体を支える事さえ出来なかった。
ルフィが動くまま、人形のように体を任せきっているに過ぎない。

意識が飛ぶ前、サンジは、初めてルフィの顔を見た。

(・・・ルフィ・・泣いてんのか・・・?)

ルフィの顔は、涙でぐしょぐしょだった。
一体、何時からこんな風に泣いていたのだろう。

眉を寄せて、何か辛い事を耐えているような、切ない表情だった。

だが、それを知ったところでサンジの意識も体も限界だった。

やがて、サンジの体の中で大きく脈打ち、ルフィの体も震えた。

ルフィは、サンジを抱く力を強め、そして、苦しげに名前を呼んだ。
ようやく ルフィの体を突き動かしていた 欲望をサンジの中へ吐露したのだった。


2人とも、湿ったぼろきれのように 体を弛緩させて 布団に沈みこんだ。








体が痛い。


頭が痛い。


胸が痛い。


・ ・・・ひどく、気分が悪い。吐きそうだ。


行為が終わり、自分の隣で肌を晒したまま 眠りこんだルフィの顔からは、
さっきの狂暴さは消え去り、いつもどおりの少年くささが臭う幼いものだった。

(俺が悪かった・・・。)

ルフィが、哭いていた。

自分を組み敷いて、力任せに犯しながら、涙を流していた。
辛そうだった。

そんな顔をルフィにさせてしまうまで、何も気がつかず、追い込んだのは、
自分だ。

ルフィは悪くない。

鈍すぎた自分が悪い。

それでも、このことをあの男は・・・ゾロは、どう思うだろう。

前しか見ていない、真っ直ぐな緑の瞳は、自分を責めるだろうか。

ふしだらだとか、淫乱だとか、言葉で言われるよりも、きっと
その言葉を含んだ眼差しだけで いたたまれなくなるだろう。

サンジは、改めて 自分の体を眺めてみる。

言い訳出来ないほど、情事の跡が残されていた。

深い、深い、溜息をついた。
(考えても仕方ねエ・・・。こんなぼうっとした頭で考えたところで碌なこと
考えつかねえだろうし・・・。)

サンジは、とにかく眠ることにした。

サンジが眠りこんで、しばらく経った頃。


ルフィは、余りにも熱いサンジの体温を感じて 目を覚ました。
すぐにサンジの方へ目を向けた。


サンジの息が荒い。

顔色が酷く悪い。

体中に、自分がつけた跡が痛々しく残っている。

抱けば、満足すると思った。
なのに、少しも満たされてなどいなかった。

無理矢理抱いたところで、手に入るものなど何もなかった。

却って、隣で眠っているのに、前よりももっと 遠くなったような気がする。

意識をなくしてまで、ルフィを拒絶するかのような気配を放つサンジに、
ルフィの心が激しく揺れた。


(もう、・・・・。触っちゃいけねえ。)

これ以上、無理強いをしたらこの美しい体が壊れてしまう気がした。

「ごめんな、サンジ。」
小さくそう囁いて、ルフィはサンジの側から体を離した。
だが、心はそう思っていても、サンジの体を忘れる事など、もう出来なくなっている。


理性の箍が外れて、次の朝を待たずにルフィは再度 サンジを犯した。

最初の行為でサンジは かなり体力を消耗していた。

抵抗しないのか、出来なかったのか、殆ど 抗う事もせず、むしろ穏やかに
ルフィを受け入れた。

それは、ルフィを追い詰めたと自分を責めたサンジの懺悔であり、
これ以上 ルフィを苦しめたくないというサンジの選択だった。

ルフィの素直な謝罪の言葉に、サンジはほとんど出ない声で答える。
「・・・俺の方こそ、お前に辛い思いをさせてたんだな。」

サンジは、自分を貫くルフィの体を抱きしめ、荒い息にのせて心から 
ルフィに謝った。


「・・・サンジ。」
ルフィは、何も言えず、ただ名前を口にするだけだった。

一つになりたかったんだ。

ルフィは果てながら、うめくように呟いた。

サンジは、その声を黙殺する。

「ルフィ。」

行為が終わり、甘く気だるい時間を終らせるかのように、サンジが静かに
「俺は、お前の体しか満たしてやれねえ。だから。」

ルフィに残酷な宣言を下す。
「お前の気が済むようにしてくれていい。」

「本当に俺の全部を握っているのは誰か、わかってるだろ。」

ルフィは、黙って頷いた。

自分の体だけでも受け入れてくれただけでも、今は満足しなければならない。

少なくとも、満足した振りをしなくてはならない。
ルフィがした酷い行為を責めず、むしろ自分に非があると 自責の念にかられている
サンジを更に苦しめてしまう。

サンジのその優しさは、解かりすぎるほど解っている。

だが、ルフィはどうしても伝えたかった。
「俺の心はサンジが持っててくれ。」と。

それにも、サンジはなんの答えを返してこなかった。

だが、体だけでも許してくれたのだ。
時間はたっぷりある。

諦めずに思いつづければ、何時か 心も、何もかも全て与えてくれる日が来るかもしれない。諦めの悪さは 筋金入りだ。

ルフィは、必ずサンジの全てが自分だけのものになることを信じて、
ようやく穏やかな眠りの中へ沈みこんでいった。


翌日。
サンジの熱は 引く気配を一向に見せない。

その日、ナミの作った食事さえ口にする事も出来なかった。
これは、熱の所為ではない。

喉の奥になにか 泥のようなものを突っ込まれているようで、物を食べる気が
全く起きなかったのだ。

今は、ただ、昨夜の事は夢だったと思いたくて、ひたすら眠ろうとした。

だが、目をつむっても頭痛が酷くて 眠り込む事も出来ない。

ルフィとの行為に感じなかったと言えば嘘になる。
嫌だと心は叫んでいたのに、体が歓喜に震えた。

その余韻がまだ、体を熱くする。
肺炎の所為で高い熱を孕んでいる気だるさとは別の、下半身をぐっと重くするような
熱を拭えず、サンジは、何度も寝返りを打った。

この熱はルフィの所為なのに、ゾロの顔ばかりが頭に浮かぶ。

どちらを欲しがっているのか、どちらでもいいのか、それさえ判らない、
自分で制御できないほどいい加減ででたらめな自分の体に ますます気分が悪くなる。

それでも、サンジは何時の間にか 眠りに落ちていたらしい。
目が覚めたのは自分の汗で着衣が冷え、冷たいと不快な感触を感じたからだった。
もう、夕方になっているようだ。

ぼんやりと霞む視界が徐々に鮮明になる。
頭のうえから声がした。

「・・・目が覚めたか。」

サンジは、その声で酷く安心して、もう一度瞼を閉じた。
頭痛は治まっている。熱が少し下がったのかもしれない。

「・・・まだ、眠いだろうが、着替えるぞ。」

首もとのボタンに骨ばった指がかかった。

その時、サンジは急に昨夜のことを鮮明に思い出し、飛び起きた。

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