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東京に着き、そして夜になって宿に向った。

「おい、さっさと宿に行こうぜ」
「分かってんだよ、黙って俺について来い」

バスの中では、殆ど眠れなかった。
嬉しいのだけれど、まるで夢を見ているようで、これからどうやって時間をすごそうか、
そんな事を考えると全く寝付けなかったのだ。

それで一睡もせずに遊びまわったのだから、正直、体はクタクタだ。

ヤツが宿に早く入りたい気持ちも、その理由も良く分かっている。
この駅に着いてから、ヤツはずっと腰に手を回してきて、体のどこかに触れている。

夜の浅草はライトアップされていい雰囲気だ。少しそぞろ歩いても良かったが、

「早く見つけろよ。早く行こうぜ。どこだよ、宿は」とやたらせかすから
余計に気が焦って、なかなか宿に辿り着けない。



そして、やっと宿に辿り着いた。

(続く)

着いたホテルは、小さいけれど清潔な宿だった。

「・・・なんか、殺風景な部屋だな」と部屋に入るなり、ヤツはなんとなく不足そうに言う。

多分、いつも使っている宿とは全然内装が違ってて、どこもかしこもシンプルで、
ただ、「寝るだけ」の部屋と言う感じが物足りないのだろう。

「なにか文句があるのかよ」とわざと聞いてみた。

「・・・地味だし、狭い・・・。でも、なんかこの閉塞感もいかにも二人きりって感じがして
悪くはねえけどな」とニタニタ笑いながらヤツはそう答えた。

バタバタしっぱなしだったから、今夜はじっくりゆっくり楽しもう、と言う事で、

(中略 ゾロサン的な展開をご想像にお任せします)
こんな感じで。


(私と虹子さんは同人の事だけじゃなく、いっぱいおしゃべりをしてとても楽しい夜でした)

よく朝、なかなか眼が覚めない。
だが、ヤツに急かされて、宿を後にする。

「水上バスに乗る」と言うので、浅草の水上バス乗り場へ行く。

「・・・なんとか橋まで買え」と券売機の前で言われても、わかるわけがない。
「ああ?何とか橋じゃわかんねえよ、ちゃんと言え!」と言い返す。

「・・・お前のプランについてって大丈夫なんだろうな」とちょっと不安になるが、
楽しければ多少迷子になっても死にはしないだろうと、とりあえず
言われるがままに、浜松町に一番近い船着場まで券を買う。




ちょうど、タイミングが良く、さほど待たなくても無事に水上バスに乗り込む事が出来た。

天気はうすぐもりで、水の上だから涼しい。
風を切って走る船の上は、思ったいた以上に快適だ。

船内では、かすれた声のレディの案内が入り、とあるビール会社のモニュメントの説明をみて
ちょっと笑えた。

「俺も、そう見えた。アレ以外になにに見えるってんだよ」
「あれなら、健康的だよな。色にちょっと問題あるかも知れねえけど」なんてバカな
話をしながら、短い船旅を楽しむ。

(東京にイベントで来られる皆さん、水上バスはオススメです!地下鉄とかで移動するより
高いのかも知れませんが、観光なら絶対こっちの方が楽しいですから!)





「なんとか橋」まで着くのに、全部で12個も橋をくぐるんだと」
「けっこう、スレスレだよな」




この船を降りたら、次は東京タワーへ行くらしいが、その前に、この船の中をもう少し、探検したいと思い、
階段を下りた。

「うわ〜、いいのか、この値段でこんな贅沢させてもらっちまって!」と
つい、俺は声を上げてしまう。

続く