多自然型河川造りによる自然復元の試み
岐阜県関市の事例
長良川本流の内、長良橋より上流側は岐阜県、下流側は国土交通省の管轄になっていますが、用水路や小川などの小河川は流域市町村が管理している。関市では環境に配慮した多自然型河川造りを10年ほど前から導入しており、これまでに市民と共同でホタルの川の復元に成功した。市民参画型のこの取組では、当初から川辺にまるで庭のような花壇が造られていた。また、植生を復元さすためにコンクリート護岸から土手にしたところ、一部の住民から元のコンクリート護岸に戻して欲しいという要請があるなど、困難を極めている。生態系の復元とはほど遠い、というのが現状であった。しかし、徐々に市民の間にも環境に対する意識が高まっており、苦情は徐々に減少しているようである。現在では、多数の魚がこれらの小河川に入ってくるようになった。関市ではこうした魚のために、流量の少ない時期でも一定の水深を保てるような淵を配置したり、川幅を狭くする事で水深を保つなどの工夫をしたりしている。
関市の中池公園にも、周囲2kmの農業用のため池である中池を中心に市民が参加しているビオトープがある。
こうした自然復元事業は、市民の側から行政側に提案され、進められている。自然環境の保全は重要な課題であるので、市民と同じ目線で事業に取り組んでいる行政側の姿勢は高く評価できる。
関市の多自然型河川造りの実施例
ホタルの復活に成功した