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多自然型河川造りによる自然復元の試み
水質班
多自然型河川造り
 河川には本来、有機物を無機物に浄化する能力が自然に備わっている。しかし、その浄化能力はコンクリートを使った従来の治水工事で失われてしまった。そこで、その反省に立って近年進められているのがヤナギ等の植物や土壌、岩石によって護岸する近自然工法である。この工法はスイスで考えられたもので、ヨーロッパを中心に欧米では広く普及している。これは単なる自然保護ではなく、水源から河川、そして海に至る水の循環サイクルを見て、その生態系まで含めた豊かな自然を再生する試みである。
 近自然工法とは、20年ほど前から試みられている『親水工法』とは異なる。親水工法とは、コンクリートの護岸をなだらかにして水辺に近づけるようにしたものに過ぎないからである。
さらに、直線的・平面的になった河道を自然に近い形に戻すことも近自然工法の特徴である。つまり、川を蛇行させ、流れに緩急を付けるというものである。川を自然な形に戻すと生態系も戻るという考えは、近自然工法の先進国である欧米ですでに実証されている。


参考資料
 アクアプラザながら パンフレット「長良川河口堰とともに「川・人・いのち」(2005)
 日本自然保護協会 報告書「長良川河口堰事業の問題点・第3次報告」(1996)
 長良川河口堰のはたらき(独立行政法人水資源機構長良川河口堰管理所)2004年
 地球環境白書『最新 今「水」が危ない』(学研)2004年